【常念岳の登山ブログ】一の沢登山口から常念小屋一泊のピストンルート

登山日:2023年9月4日(月)、9月5日(火) 平日
天候:9月4日(月)曇り⇒雨、9月5日(火)曇り⇒晴れ
ルート:一の沢登山口から常念岳のピストン
宿泊:常念小屋に一泊

常念岳は、槍ヶ岳・穂高方面から見てもはっきりとわかるピラミッド型が印象的な山で、百名山の一つでもあります。頂上の標高は2857m。松本・安曇野方面から北アルプスを見たときに、せり上がるように見える前山で、古くから麓の人々に親しまれている山でもあります。

常念岳は頑張れば日帰りで行ける山なのですが、今回は常念小屋に一泊して余裕あるゆっくり登山を楽しみました。

<どちらも平日>
9月4日(月):一の沢登山口⇒常念小屋
9月5日(火):常念小屋⇒常念岳⇒常念小屋⇒一の沢登山口

常念岳の登山レポ、一の沢登山口(駐車場)の様子、常念小屋の宿泊などを写真付きでまとめているので、ぜひ最後まで読んでみてください。

令和6年8月7日から一の沢登山口までの道路が通行止め

大雨による道路崩落の影響で、令和6年8月7日から一の沢登山口までの道路が、一般車両の通行止めになっています。
このため、一の沢登山口から常念岳に登る場合、以下のような行程になります。

  • 安曇野市内から崩落箇所までタクシーで移動
  • 崩落箇所から徒歩で登山口まで(40分~50分)
  • 登山口から登山開始

自家用車で来る場合、まずは安曇野市内の駐車場に車を停めます。タクシーのみ崩落箇所まで送迎可能となっているので、タクシーで崩落箇所まで移動(約5,500円~7,000円)

崩落箇所からは一の沢登山口まで、道路を徒歩で移動。約40分から50分の徒歩移動となります。

一の沢登山口についてからは、通常どおりの登山ルートの行程です。

一の沢登山口までの道路崩落により、三股登山口⇒前常念⇒常念岳⇒常念小屋のルートもありますが、三股登山口のルートは初心者や体力に自信がない人にはおすすめできません。

一の沢登山口までの最新情報については、安曇野市や常念小屋のホームページが随時更新されています。特に常念小屋のホームページは丁寧に説明が更新されるので、常念小屋(常念岳)を計画する際によく確認してみてください。

一の沢登山口へのアクセス

常念岳への登山口「一の沢登山口」は、長野県松本市の松本駅から車で1時間ちょっとのところにあります。バスはないため、自家用車かレンタカーじゃないと厳しいかも。

道は後半はほとんど一本道なので迷うことなく登山口まで行けると思います。

一の沢登山口の駐車場

一の沢登山口のちょっと手前に「第一駐車場」と「第二駐車場」があります。どちらもナビでも表示されるし、一本道を真っ直ぐ行けばわかります。

どちらも駐車台数はそれほど多くないので、連休やハイシーズンなどは7時くらいには満車になる時もあります。連休などは早めの到着を心がけましょう。

今回は9月の平日、天気予報も微妙ということもあって、7時前でも駐車場はガラガラでした。駐車場が空いていると、ゆとりを持って停めれるし、ドアも大きく開けて準備できるからいいですね。

駐車場から道路を約1km(20分くらい)登ったところに一の沢登山口があります。

一の沢登山口のトイレ

一の沢登山口にはトイレもあります。
出発前にここでトイレに寄るといいでしょう。

常念小屋にもトイレがあって、宿泊者以外でも利用することができるので、常念岳に関してはトイレの心配をすることはなさそうです。

常念岳の登山レポ

ここからは、常念岳の登山レポになります。

当初、以下のような行程を予定してました。
1日目:一の沢⇒常念小屋⇒常念岳⇒前常念岳⇒常念小屋(宿泊)
2日目:常念小屋⇒一の沢

登り始めてから雨が強くなってきたので途中で予定変更。次の日の天候回復に期待して、以下のような行程で行ってきました。
1日目:一の沢⇒常念小屋(宿泊)
2日目:常念小屋⇒常念岳⇒常念小屋⇒一の沢

1日目(一の沢登山口⇒常念小屋)

前日は長野県松本市の松本駅前に前泊。

午前5時過ぎ 松本市のホテルを出発。
途中のコンビニで食料を買ったりしてゆっくり移動。

6時30分 一の沢登山口の第一駐車場に到着。
やっぱり平日は空いてていいですね。

登山靴を履いたり準備をして登山口へ。

6時50分 駐車場を出発。

出発:7時00分、到着:11時10分
4時間10分(休憩含む)5.9km 累積上昇1,278m 下降91m

登山ルート:一の沢登山口⇒常念小屋

まずは登山口までの道路を1km。
舗装路や林道は登山靴よりもトレランシューズやランニングシューズの方が快適ですよね。

7時20分 一の沢登山口に到着。

天候は今のところ曇り。
登山届を書いたり、トイレに寄って早々に出発します。

御神木?「山の神」でお参りをして登山道を進みます。

立派な木と鳥居ですねー。

常念岳の一の沢ルートは、沢沿いということもあって、基本的には沢登りとなります。滑りやすそうな石の上を歩くことも多いので、雨の日はもちろん、浮き石にも注意が必要です。

沢以外ではこんな感じの土の道だったり。

9時20分 笠原沢に到着。

このあたりから雨が降ってきました。

笠原沢を通り過ぎると雨が本降りになってきたので、レインウェアを出して着込みます。

一応、蒸れないようなレインウェアなのですが、それでも夏場のレインウェアは湿気がこもって暑くて不快。

胸突八丁あたりからはしっかり雨。


ここからは急登なので、滑らないように慎重に進みます。

木の階段も場所によっては水が流れるほどに。

晴れていれば気持ちよさそうな登山道ですね。

最終水場。

この帽子は誰かの落とし物です。

蒸し暑さと急登で息が上がる。
ハアハアいいながらマイペースで進みます。

第2ベンチ。

第3ベンチ。

常念乗越までもうちょい。

15分くらい登って
11時5分 常念乗越(常念小屋)に到着!

本来だったら素晴らしい景色が一望できる常念乗越。この日はガスガスで全く何も見えず(T_T)

とりあえず常念小屋へ。

入り口前の石の階段で滑ってコケる。
イタタタタ・・・

予定では、常念小屋に泊まる荷物をデポして常念岳に向かう行程だったけど、雨が止まず景色も期待できなかったので、1日目はそのまま常念小屋で過ごすことにしました。

常念小屋での宿泊

常念小屋はとてもキレイな小屋です。

小屋の人も親切。予約の際も「キャンセル料はいただきませんので、悪天候の際は無理せず連絡ください。」と言ってくれました。※とはいえ、キャンセル前提の「とりあえず予約」は厳禁ですよ。

ロビーも広々。ゆっくりくつろげますね。

この日は9月の平日で天候が悪かったこともあり、常念小屋はほぼ貸し切り状態でした。

外には宿泊者専用の自炊テラスがあり、火気を使って料理もできます。

まずは濡れた登山靴・衣服・ザックを乾かすために乾燥室を使わせてもらいます。

この乾燥室がめっちゃ強力!今まで数々の山小屋に泊まって乾燥室を使ってきましたが、常念小屋の乾燥室が今のところのNo.1!乾燥室がガラガラだったのもあるかもしれませんが、それにしても強力!びちゃびちゃに濡れた登山靴や衣服もあっという間に乾いてしまいました。

部屋もすでに使えるとのことなので、まずは荷物を置きにいきます。

本来は6人部屋ですが、個室も貸し切り状態。

布団はシュラフ(寝袋)と聞いていたのですが、枕も掛け布団もあり、しっかりとした布団でした。

水場もトイレも綺麗でちゃんとしています。

再びロビーに戻って

ワインを飲んだりしてまったり。

本来は常念岳、前常念岳を登る予定だったので、さすがに時間がたっぷり。

外が雨なのが残念ですが、こうして貸し切り状態の山小屋でまったりする過ごし方もいいものですね。

この時間の宿泊者はもう一組いて、自炊テラスで何か作ってました。

17時 夕食。

よくある山小屋の夕飯です。
美味しくいただきました。

食堂の外にあるテラス。

天気がよければ景色も雰囲気も最高だったでしょうね。

ギリギリ、槍ヶ岳の槍が見えました。

17時半過ぎに、少しだけ晴れ間が見えたので、外に出て散策。

翌日登る常念岳方面。

実際の常念岳のピークはさらに向こう側になります。

常念岳のテント場。

3つ4つくらいテントが張ってありました。

部屋に戻り翌日の準備をしたりして、20時頃に布団へ。

2日目(常念小屋⇒常念岳⇒常念小屋⇒一の沢)

出発:4時30分、到着:11時20分
6時間50分(休憩含む)8.3km 累積上昇500m 下降1,732m

登山ルート:常念小屋⇒常念岳⇒常念小屋⇒一の沢登山口⇒駐車場

午前3時30分 起床。
身支度を済ませて、4時過ぎにロビーへ。

ロビーに出ると、ちょうど常念小屋を出発しようとしてた登山者の方がいて、声をかけられました。

『どちらに行くんですか?』
「今日は常念岳をピストンして、一の沢登山口へ下山する予定です。どちら行かれますか?」
『そうなんですね。僕は大天井岳を経由して燕岳方面へ行く予定です。』
「昨日より天気も回復して良さそうですね。お気をつけて。」

常念小屋の玄関先に必要ない荷物をデポさせてもらう。

4時30分 常念小屋を出発。

さすがに暗いので最初はヘッデンを点けて、岩場・石場を登っていきます。

暗がりに光る常念小屋の灯りがなんとも言えずいいですね。その向こうには横通岳。

徐々に夜が明けてくるけど、雲で御来光は見えず。

明るくなってきました。

まあまあの急登です。
ところどころ浮き石があるので転ばないように注意。

雲多めだけど雨も降らずいいですね。

三股登山口ルートへの分岐。

ここまで来たらあともうちょい。

5時40分 常念岳に登頂。

うーん、雲が残念。

槍ヶ岳は見えず。

でも虹が見えました。

常念岳の山頂から南側が蝶槍・蝶ヶ岳方面のルートです。

常念岳のピークは狭いので、休憩するなら蝶ヶ岳方面に少し下がったスペースがおすすめです。

帰りの時間もあるのでピークでは休憩せず、景色を堪能して下山開始です。

東天井岳・大天井岳につながる見事な稜線ですねー。

さようなら、常念岳。

帰り道は晴れ間が覗いてきました。

このガレ石がずるずる滑るので注意です。

6時50分 常念小屋に到着。

デポした荷物を回収。
少し休憩して給水したり補給したり。

7時20分 常念小屋を出発。

昨日より天気がよく、沢も気持ちがいいですね。

ただ、足場は昨日の雨で岩が濡れていて滑りやすいところもあり、注意しながらの下山です。

沢の流れが清々しいですね。

大滝を過ぎてまだまだ。

ひたすら下ります。

10時50分 一の沢登山口に到着。

一の沢登山口のトイレに寄って、駐車場を目指して道路を下ります。

繰り返しになるけど、

  • アスファルトの舗装路
  • 登山靴
  • 疲れた最後の長い下り

上記が重なるとウンザリ感が出てきますねぇ・・・

駐車場を目指して道路を歩いて15分。

駐車場の入り口が見えてきたところで、何か道路にいます。

猿だ!!

若い頃、志賀高原スキー場の駐車場で猿に襲われた苦い記憶が蘇ります。ここの猿たちも、駐車場で登山者の食べ物を狙っていたのかもしれません。

11時20分 一の沢登山口の駐車場に到着。

着替えは麓の温泉でするとして、猿に襲われる前に早々に出発です。

常念岳の登山レポまとめ

ここまで、常念岳の登山レポをまとめました。

常念小屋を拠点として1泊2日のゆっくり登山。
初日の雨が残念で、目的の一つである前常念岳には行けなかったけど、山小屋でゆっくり過ごす時間も、また違った登山の楽しみ方を発見できてよかったです。

一の沢登山口からのルートは、沢中心。行程的にそれほどキツいルートではないけど、岩場・石場が苦手な人は少し手こずるかもしれませんね。その分、頑張って沢を登ったご褒美が常念乗越の景色でしょうか。

次は三股登山口からのルートで、前常念岳・常念岳・蝶槍・蝶ヶ岳を絡めた縦走ルートを楽しんでみたいですね。

令和6年8月の大雨により、一の沢登山口までの道路が通行止めとなっています。詳しくは以下を確認してみてください。
check 一の沢登山口までの通行止めを確認する
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