【笠ヶ岳の登山ブログ】弓折経由ルートで笠ヶ岳山荘、笠新道で下山する一泊ルート

登山日:2022年8月6日(土)、8月7日(日) 土日
天候:8月6日(土)晴れ⇒夕立ち、8月7日(日)晴れ
1日目:新穂高温泉から弓折岳方面を経由して笠ヶ岳山荘
2日目:笠ヶ岳山荘から笠ヶ岳、笠新道で新穂高温泉へ下山
宿泊:笠ヶ岳山荘に一泊

笠ヶ岳は奥飛騨にある名峰で、その名の通り堂々とした「笠形」の山容が特徴的な山です。日本百名山の一つで標高は2,898m。播隆上人が、笠ヶ岳から眺めた槍ヶ岳の姿に心動かされ、槍ヶ岳開山を決意したと伝えられるほど、笠ヶ岳から見る槍ヶ岳の姿は印象的です。

2022年8月の笠ヶ岳登山は、天候にも恵まれて終始景色を堪能しながらの楽しい登山となりました。

今回は、笠ヶ岳の登山レポ、登山口となる新穂高温泉の様子、宿泊した笠ヶ岳山荘の様子などを写真付きでまとめます。ぜひ最後まで読んでみてください。

笠ヶ岳の登山ルート

笠ヶ岳の登山ルートは、大きく分けて2つあります。

  1. 新穂高温泉からわさび平、鏡平、弓折乗越を経由して、弓折岳、大ノマ岳、抜戸岳を歩く縦走コース
  2. 新穂高温泉から笠新道登山口に入り、笠新道を登る急登コース

歩く距離は長くなるけど景色が楽しい縦走コースと、歩く距離は短いけどひたすら急登を登るコースに分かれます。

ちなみに、中尾高原口から入山する「クリヤ谷コース」もあるのですが、登山道があまり整備されていない上、通行不可になる年もあるので登山ルートとしてはおすすめしません。

笠新道は急登であり景色もそれほどよくないので、今回採用した「上りは周回する縦走、下りは笠新道で一気に下るコース」が楽しく堪能できると思いますよ。

新穂高温泉の駐車場

新穂高温泉の駐車場は激戦です。

地図はタップで拡大します。

PDF 新穂高温泉の駐車場マップ(PDFファイル)

もともとそこまで駐車場の台数が多くないところに加え、新穂高温泉は次の山々への入り口となるからです。

  • 槍ヶ岳、穂高岳
  • わさび平、鏡平、双六岳、三俣蓮華、黒部五郎岳、鷲羽岳、水晶岳

土日、休日、連休などは4時頃の未明に行っても無料の新穂高第3駐車場(P5)は満車。新穂高温泉から徒歩1時間くらいかかる鍋平駐車場も早朝には満車となります。

おすすめは、事前予約できる深山登山者用駐車場(有料)です。
あらかじめ予約しておけば当日車が停められなくても焦ることはないと思います。

※温泉宿を抜けて、右俣林道の入り口手前に有料駐車場があります。そちらに停めることもできますが、基本はロープウェイ利用者の駐車場で、いつNGになるかわからないので、あまりおすすめはしません。

以下のサイトに駐車場マップや問い合わせ先などの説明があるので、登山計画時に参考にしてみてください。
新穂高駐車場(登山者用)マップのご案内 | 奥飛騨温泉郷観光協会
新穂高温泉周辺の登山者用駐車場マップをご案内します。 新穂高から北アルプスへ入山される登山者の皆さまは、このマップをご覧いただき指定の場所に駐車していただきますようお願いします。         駐車場の問合せ

笠ヶ岳の登山レポ

ここからは、笠ヶ岳の登山レポを紹介します。

今回は以下のような行程で笠ヶ岳を登山しました。

<土日>
8月6日(土):新穂高温泉⇒林道(舗装路)⇒わさび平⇒小池新道⇒秩父沢出合⇒鏡平⇒弓折分岐(弓折乗越)⇒弓折岳⇒大ノマ岳⇒秩父平⇒抜戸岳⇒笠ヶ岳山荘(一泊)
8月7日(日):笠ヶ岳山荘⇒笠ヶ岳頂上⇒笠ヶ岳山荘⇒笠新道分岐⇒笠新道⇒笠新道登山口⇒林道(舗装路)⇒新穂高温泉

1日目に結構頑張って歩き、2日目は笠ヶ岳のピークを踏んだ後、笠新道で一気に下山です。

1日目(新穂高温泉⇒弓折岳方面⇒笠ヶ岳山荘)

午前5時 新穂高温泉の駐車場に到着。

軽くパンを食べたり、登山の準備。

出発:5時30分、到着:16時55分
11時間25分(休憩含む)17.3km 累積上昇2,464m 下降767m

登山ルート:新穂高温泉⇒林道(舗装路)⇒わさび平⇒小池新道⇒秩父沢出合⇒鏡平⇒弓折分岐(弓折乗越)⇒弓折岳⇒大ノマ岳⇒秩父平⇒抜戸岳⇒笠ヶ岳山荘(一泊)

5時30分 新穂高温泉を出発。
今回もいつもの登山仲間と3人パーティーです。

橋を渡って川の向こう側へ。

笠ヶ岳、双六岳、その先は鷲羽岳、水晶岳などのメインルート。

2018年に登った鷲羽岳、水晶岳以来、5年ぶりです。

ここから長い舗装路が続きます。

地味に長いし、下りは疲れて辛いし、登山の舗装路は苦手です。

わさび平小屋までずっとこんな感じの舗装路です。

6時45分 笠新道登山口。

下りはここから降りてきます。

6時55分 わさび平小屋に到着。

この日は蒸し暑く、すでに汗だく状態。
前回もそうだったけど、わさび平小屋までが地味に長くて疲れるんですよね。たぶん代わり映えしない景色と舗装路の影響もあると思います。

少し休憩。トイレに寄ったり。

ブナ林の中のわさび平小屋は雰囲気がとてもいいですね。

7時15分 わさび平小屋を出発。

まだまだ砂利道、舗装路続きます。

7時35分 小池新道登山口に到着。

ここからようやく登山道らしい登山道。

整備された登りやすい登山道です。

8時30分 秩父沢出合に到着。

沢が流れる広々とした場所です。

ここで休憩する登山者も多いですね。

小池新道をひたすら登っていきます。

熊の踊り場と呼ばれる箇所へ。

本当に熊が出てきたら恐怖だけど。。。

鏡平、見えてきました。

10時40分 鏡平山荘に到着。

人気スポット。
たくさんの登山者が休憩中です。

まあまあ歩いた感ありますが、今回はここからまだまだ続きます。

補給したり20分ほど休憩。

11時00分 鏡平山荘を出発。

ここからは尾根道が中心に。
景色もよく、登りやすい登山道が続きます。

山腹をトラバースするように登っていきます。

たまには高山植物などをパチリ。

11時50分 弓折乗越に到着。

少し雲が多くなってきました。

天気が心配です。

仲間Sくんの一人のペースが落ちてきました。

まあまあガスが巻いてきました。

弓折岳を通過して
縦走区間を登ったり下りたり。

稜線歩きは素晴らしい。
壮大な景色に心を奪われますね。

少しだけ雨も降ってきました。

大ノマ乗越を通過。
景色はいいけど天気が心配。

Sくんのペースも心配。

夕食時間までに笠ヶ岳山荘に到着するかな・・・

大ノマ岳を通過して秩父平あたりから天気が悪化。

雨が強くなり、近くを雷がゴロゴロしてます。

急いでカッパを着てハイマツや岩より低い姿勢で待機。

縦走地帯なので雷を避ける場所もなし。かなり近い位置でゴロゴロしていたので、さすがにこのときは恐怖でした。

少しすると雷も遠のき、雨もあがったのでカッパを脱いで先を急ぎます。

Sくんがなかなかしんどそうです。

山荘に間に合うのか?

15時00分 笠ヶ岳山荘に電話。
夕食は17時30分からなので、17時くらいまでには着いてほしいけど、急がず慌てず来てほしいとのこと。

ルートタイムではここから2時間程度。
ギリギリだなー。

ここからの縦走区間も素晴らしい景色ですね。

思わず足を止めて、何枚も写真を撮りたくなります。

抜戸岳を通過して笠新道分岐。

縦走は楽しい。

笠ヶ岳が見えてきました。
立派な笠形ですねー。

抜戸岩を通過。

近くて遠い笠ヶ岳。

最後の岩場急登に到着です。

ここから時間勝負なので、体力モンスターのもう一人の仲間Kくんに先に山荘に行ってもらい、僕はSくんをサポートしながら登ります。

雲の向こうに槍ヶ岳があるはずだけど、この日は見えず。

テント場は岩場の途中に。
落石とか大丈夫なのかな?
山荘までまあまあ登るのでトイレのとき大変そう。

「ガンバレ!あと一息」

16時55分 笠ヶ岳山荘に到着。

よかった、なんとか間に合いました。

笠ヶ岳山荘での宿泊

夕飯まで少し休憩。

笠ヶ岳山荘は平均的な山小屋な感じです。

部屋は通路の両サイドに2段ベッドがある大部屋タイプですが、3,4人のパーティーだと一区画にまとまるので、ある程度プライベート空間になります。一人登山で混んでいるときだと相部屋になりそうですね。

この日は8月6日土曜日。
ハイシーズの土日ということもあり満員でした。

トイレも可もなく不可もなく。

携帯の電波は各社途切れ途切れで、まったく繋がらないわけじゃないけど、ストレスなくというわけでもなく。まあ山小屋なので、携帯も使わないですね。

17時30分 夕飯。

夕飯のカレーはルーのみおかわり可。

食料に不安があったので僕だけ朝食弁当を頼みました。

うーん、、、
正直、頼まなくてよかったかな。

次の日は5時頃の御来光を笠ヶ岳の山頂で拝むため、4時半出発予定。

20時時前に就寝。

笠ヶ岳山荘は、笠ヶ岳登山には欠かせない宿泊施設です。槍ヶ岳をはじめ、奥穂高岳やジャンダルムなども一望できる素晴らしい山荘です。笠ヶ岳登山のときは宿泊して、朝夕の景色を堪能してほしいですね。
参考 笠ヶ岳山荘のホームページはこちら

2日目(笠ヶ岳山荘⇒笠ヶ岳⇒笠新道から下山)

午前3時半 起床。

身支度を済ませて、朝食を食べる。

出発:4時30分、到着:12時30分
8時間00分(休憩含む)11.0km 累積上昇388m 下降2,023m

登山ルート:笠ヶ岳山荘⇒笠ヶ岳頂上⇒笠ヶ岳山荘⇒笠新道分岐⇒笠新道⇒笠新道登山口⇒林道(舗装路)⇒新穂高温泉

4時30分 笠ヶ岳山荘を出発。

暗いのでヘッデンを点けての登山。
笠ヶ岳の頂上までは15分くらいかな。

朝焼けに映る槍ヶ岳がカッコいい!

播隆上人が槍ヶ岳開山を決意したのも頷けます。

薄っすらと明けてくる景色がなんともエモいですね。

ゆっくりと、景色を堪能しながら。

山頂までもうちょい。

5時00分 笠ヶ岳山頂に到着。

山頂付近にて少し待機。
槍ヶ岳の隣から朝日が昇ってきました。

槍ヶ岳と昇る朝日。
素晴らしい景色ですね。

天気が良くてよかった~!

笠ヶ岳山荘から唯一持ってきたおつまみを食べながら、しばし景色を堪能。もぐもぐ。

完全に日が昇ったので下山開始。

あっという間に笠ヶ岳山荘に到着。

デポしておいた荷物をピックアップして、身支度を済ませて出発しようかと思っていた時に、遠くの方からバタバタと物音が。

ん・・・?

なんだ?

ヘリだ!

荷物輸送のヘリ到着。

登山をはじめて10年余り。
いろんな山小屋に泊まってきましたが、ヘリコプターの輸送を間近で見るのは初めてです。

あっという間に荷物を受け取るんですね。

ヘリの下は爆風です。

槍ヶ岳の方向に消えていくヘリがまたエモいですね~。

いいもの見れました。
さあ、帰りましょう。

登りで励まされたガンバレ岩。

その付近にハート型の石。

「サヨナラ」

ここからは槍ヶ岳を前に縦走区間が続きます。

昨日と違って素晴らしすぎる天気。

気分がいいですねー。

ちょっとだけ足元が危ない箇所も。

さようなら、笠ヶ岳。

縦走コースの直線上に槍ヶ岳。

何度も振り返って笠を見たくなりますねー。

笠新道分岐を目指して歩く。

抜戸岩を通過。

ここからは景色を堪能しつつ歩きに集中。

7時30分 笠新道分岐に到着。

ここからは笠新道を一気に下る。

笠新道はハイマツ帯や樹木帯を一気に下る急登。

最初のハイマツ帯は日差しが厳しく暑さがしんどい。

樹木帯でようやく陰ったけど、高度が低くなることで蒸し暑さが増す。とにかく暑い。

急登をとにかく下る。

毎度のことながら、下りは歩くのに集中するため、写真が少なめ。

特に笠新道はあまり代わり映えがなく、一気に駆け下りたので写真が全然なし笑

あっという間に笠新道の入り口に到着。

Sくんが湧き水で水浴び。

めちゃくちゃ暑かったからね。

笠新道の入り口からは、昨日来た道を引き返し。
5年前に鷲羽岳、水晶岳に登った時もそうだったけど、ここからの林道の舗装路区間がとにかく長くてしんどい。

ひたすら歩いて、
あー、もう歩くの飽きたししんどい~
ってなってからしばらく歩いて、

12時30分 新穂高温泉の駐車場に到着。

着替えて荷物を整理して出発です。

笠ヶ岳の登山レポまとめ

ここまで、笠ヶ岳の登山レポをまとめました。

初日は夕立ちがあったり、時間がギリギリだったりしてヒヤヒヤしましたが、比較的天候にも恵まれて笠ヶ岳を十分に堪能することができました。

特に2日目は絶好の夏日和。
笠ヶ岳の美しい山容も味わうことができたし、笠ヶ岳から見える槍ヶ岳も存分に堪能することができました。初めて見るヘリの荷受けも迫力があってよかったですね。

笠ヶ岳の登山ルートは、今回採用した「登りは弓折経由、下りは笠新道」がおすすめです。

笠新道の登りは苦行系登山になりそうだし、弓折経由のルートは歩く距離が長いので、上り下りの両方はおすすめできません。初日は弓折経由で景色を堪能しながらゆっくり登り、2日目は笠新道で一気に下る。これがいいんじゃないかな、と思います。

笠ヶ岳は、槍穂や剱・立山といったメジャーどころからは少し離れた感じで、登山する候補として北アルプスの有名な山々の二の次にされそうですが、山容の美しさと頂上から見る景色は絶景。また登りたい山のひとつですね。

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