ランニング中に足の裏が痛くなる。ランナーにはあるあるのケガで足底筋膜炎という症状です。
走る時に鈍く気になる痛みの人もいれば、歩くのも困難なほど痛くなる人もいます。治る期間も1,2週間で治る人もいれば、何年も続いてしまう厄介なケガです。
でも、足底筋膜炎は治らないケガではありません!
僕自身、歩けなくなるほどの足の裏の痛みから、1ヶ月くらいで治しました。今では再発防止のためにいくつかの予防策をしながら走ってます。
このページでは、足の裏の痛みで悩むランナーさんのために、足底筋膜炎の治し方と予防策をまとめました。僕の個人的な体験談ではありますが、ぜひ参考にしてください。
足底筋膜炎になる原因
足底筋膜炎(足の裏の痛み)は、徐々に痛くなる人もいれば、ある日突然痛くなる人もいます。僕は後者で、ある日突然強い痛みが発生しました。
足底筋膜炎の原因はいくつかあります。
- 足底筋膜の疲労
- 土踏まず不足(アーチがない)
- 足裏の筋力不足
足底筋膜の使いすぎによる疲労
痛みの直接の原因は、足底筋膜の使いすぎによる炎症です。
走る時は足の裏の筋肉が常に使われます。着地の衝撃を吸収する、蹴り出すときのパワーを生むという動作は足底筋膜が頑張っているからです。
常に酷使される足底筋膜に疲労がたまり炎症を起こして痛みとなります。
土踏まず不足(アーチがない)
足の裏に土踏まずがない(アーチがない)人は足底筋膜炎になりやすいです。
まさに僕がそうなのですが
全然土踏まずがないでしょう?足裏が地面についた状態だと、ピタッと隙間なく足裏がつくほどアーチが全然ない足です。
足の裏のアーチがないと、走っているときの地面からの衝撃をうまく逃がすことができず、足底筋膜がモロに衝撃を受けてしまいます。
足裏の筋力不足
もうひとつは、単純に足裏の筋力不足。
太もも、ふくらはぎなど、他の筋肉もそうだけど、筋力が弱いところに大きな負荷をかければ筋肉が損傷して炎症を起こします。
練習の負荷や距離を徐々にあげたり、ケアをしっかりして疲労を残さないことも重要ですが、そもそもの筋力強化がないと足の裏は痛くなってしまいます。
【体験談】足裏の痛みの発生と対応
普段と変わらない朝ランの最中に、突然歩けなくなるほどの痛みが右の足裏に発生しました。
もともと足の裏は疲れやすかったですが、ここまで痛くなったのは初。
まずはそのときの状況と自分でした対応をまとめます。
痛みが発生したときの状況
足裏の痛みが発生した状況は
- 朝ラン10km走の最中。ペースは5分/km
- 8km過ぎから痛み出すが走り続け、10km地点では激痛に
- シューズは「ミズノ ウェーブアミュレット2」
といった状況で、本当に普段どおりのランニングでした。あえていうなら、ペースは少し速めのスピード走、シューズも底が薄めのスピードタイプのシューズでした。
痛みが右足の外側や甲側まで伝わってきて、やむを得ず歩いて帰るしかありません。歩くのも痛みでやっとの思いでした。
足裏の痛みの程度
僕の足の裏の症状は
- 痛みがひどく走ることができない
- 歩くときも痛みがあり普通に歩くことができない
- テーピングでサポートしても痛みが軽減しない
というものでした。
歩くときも痛みで普通に歩けない。キネシオテープでのテーピングでも痛みが軽くならないことから、いつもよりも重傷なのは分かりました。
自分で試した対応
まずは自分でできるかぎりの対応と治療を試みました。
- ランを中止(走れないので強制中止)
- 足裏のアイシング&冷湿布
- 歩くときもテーピングでサポート
- 時間があると足裏をマッサージする
上記の対応を1週間続けたのですが、痛みが和らぐことはなく、走るどころか普通に歩くのもままならない状態が続くだけでした。
整形外科での治療
発症してから1週間後に整形外科に行くことにしました。脚のケガで病院へ行くのはランニングを開始してから初めてです。
整形外科に行って、症状と発生状況やランニングを日課にしていることを説明。レントゲンや触診の結果「足底筋膜炎」と診断されました。
事前にネットで調べていたので間違いないとは思っていたので、あとは治療方針だけです。
アイシングと炎症止めの飲み薬で治療
実は事前にネットで調べた中で、足底筋膜炎の治療として「アイシングや炎症止めの薬を飲んで、とにかく安静にする」しかなさそうなのはわかっていました。
ですが、1週間それをやっても回復の兆しがなかったので「医者に行けば何か他の治療法があるんじゃないか?」また「注射をして一発で治った、という人もいたので注射をしてくれるんじゃないか?」という希望がありました。
結局ここの病院は「冷湿布と炎症止めの薬を1週間飲んで安静にする」という治療方針でした。少しがっかりした感がありましたが、薬を飲んでもう1週間休んでみよう、と決めました。
別の病院でマッサージと電気治療
前回の病院に行ってから1週間。処方された冷湿布と炎症止めの薬を服用しましたが、症状は変わらず。回復傾向もなく歩いている時も痛いままでした。
「いつになったら良くなるのだろう」という焦りとともに「他の病院なら違う治療方針を提示してくれるかもしれない」という思いから、別の整形外科に行くことにしました。
今までの状況を説明し、改めて診察してもらいましたが診断結果は足底筋膜炎で治療方針も安静。注射について聞いてみましたが「注射治療は炎症止めや痛み止めを直接患部に注射するため即効性があるのですが、あくまでも一時的なもので、大会前でどうしてもなどの理由がなければお勧めしない」という判断でした。
ただ、この病院ではマッサージと電気治療を中心に、今までの湿布と投薬を続けるというものでした。
足底筋膜炎が治るまでの期間
最初に痛みだしてから3週間後くらいに、足の裏の痛みが急に回復してきました。
徐々に痛みがなくなってきたというのではなく、1日2日の期間のうちにほぼ全く痛みがなくなったという感じです。
正直、自分でも何がよくて回復したのかわからなかったですが、病院へ行かなくても安静にしていれば治ったのかもしれませんし、病院で処方された炎症止めの薬や冷湿布がなければもっと長引いたのかもしれません。
足底筋膜炎に有効な治療方法
足底筋膜炎の有効な治療方法は以下のような内容です。
- まずは絶対安静(我慢して続ける)
- 湿布による炎症止め
- 投薬による炎症止め
- 電気治療
痛みがそれほどでもない場合は安静に、痛みが強い場合は早めに整形外科に行くのが近道です。結果的にそれでも時間がかかるかもしれませんが、何もしないよりは早く治るのは間違いありません。
足底筋膜炎の再発予防策
足の裏の痛みは本当にショックでした。痛みが強くて走れない、歩けないというのは初めての経験だったので「もう足底筋膜炎になりたくない」と。
そこで重要なのが足底筋膜炎の再発防止です。
もともと足の裏に疲れがたまりやすかったので、
- 足の裏に疲れをためにくくする
- 足の裏の疲労ケアをする
- 足の裏に負荷がかからないようにする
といったことを意識しました。
その意識から、足底筋膜炎を再発させないための防止策として、練習内容・ランニングシューズ・インソール・ランニングフォームなどを見直そうと考えました。
練習方法と内容を変える
今までは、とにかくただスピードの限り走るだけの練習でした。毎日同じようなペースでメリハリもなく走ってました。
足底筋膜炎になってからは
- スピードを出すポイント練習は週1,2回
- ロング走やLSDなど長い距離も週1,2回
- あとはジョグやEペースでゆっくり目を中心に
- 疲れが出たり違和感があるときは必ず休足する
ということを徹底しました。
LSD用のシューズを購入する
今までは「できるだけ軽いシューズ」で走ってました。走りやすさと軽快さがよくて、練習でも大会でも薄くて軽いシューズを履き続けていました。
ランナー個人の差もあり、薄くて軽いシューズを履き続けてもケガをしない人もいると思います。上位ランナーなら特にそうでしょう。
残念ながら僕は、まだまだ筋力不足、経験不足なため、少々背伸びをしていたようです。
LSDやロング走では、少し重いですがクッション性と安定感のある「asics GT-2000」を履くようにしました。
今でも練習でのLSD、Eペースでは少しクッション性のあるシューズ、スピード練習や本番ではスピードが出るシューズとしています。
ランニングシューズのインソールを変える
ランニング時の衝撃と体重を支える足裏。その足裏の衝撃をどのように緩和するか、どのようにサポートするかは「インソール」にかかっていると考えました。
アメリカなどではシューズと同等の扱いでインソールにも重点を置くそうで、シューズとインソールは必ずセットで選択、購入するそうです。
そこで、ランニンググッズを取り扱う地元のスポーツ店で状況を説明したところ「Superfeet(スーパーフィート)TRIM FIT BLACK」を勧められました。
スーパーフィートはかなりおすすめです!
インソールというとクッション吸収というイメージかもしれませんが、スーパーフィートは違います。見てわかるとおり薄いし硬そうですよね?
スーパーフィートの目的は
- アーチをサポートして負荷を分散させる
- 重心を適正な位置に補正してくれる
という効果があります。
足裏にかかる負荷そのものを軽減しながら、重心の適正化による負荷の分散も実現している点が優れてます。
重心の補正は履いた瞬間にわかるので、ぜひ一度試してほしいですね。
練習でも本番でも足裏テーピングをする
練習でも本番でも、走るときは必ずキネシオテープで足の裏をテーピングして走るようにしました。
今までは疲れがたまったときとか本番のマラソン大会のときだけでしたが、痛みの発生を予防する意味でも、足裏のアーチをカバーしようと考えたからです。
テーピングは足底筋膜炎の対策・予防法として効果が抜群なので、ぜひ導入してみてください。
ランニングフォームを変える
最初の整形外科で教えてもらったのですが、人間の歩くときの衝撃は
- 踵から入り
- 足の外側を通り
- つま先へ抜ける
とのことです。
走るときは、速さによって倍増された体重による衝撃を以下のように足に伝えて推進力にします。
- 踵で受けて
- 足の外側を通り
- つま先で推進力に変えて前へ前へと進む
そのため、市民ランナーは踵と足裏(特に外側)を痛めやすいのだそうです。
最近でこそフォアフット走法(つま先着地でそのまま蹴り出す走法)やミッドフット走法(足裏全体フラットでの着地)が注目されていますが、当時の僕は完全にかかと着地でした。
自分の意識として「足裏全体でフラットに着地して、つま先で蹴り出す」ことを意識しました。つまりミッドフット走法ですね。
そうすることで、自然と着地も体の真下になり、ランニングフォームも改善されて走りやすくなったので、このフォーム改善は効果があったと思っています。
足底筋膜炎対策のまとめ
ここまで、足底筋膜炎の原因・治し方・予防法についてまとめました。
足底筋膜炎は市民ランナーに多いケガです。そして長引くときは長引くし、症状がひどくなると全く走れなくなってしまう怖いケガでもあります。
ケガと上手につき合いながら走るのも大事ですが、ケガを起こさせない工夫も市民ランナーにとっては大事だと思います。
もし足底筋膜炎で悩んでいたり、再発防止をしたいと考えているなら、ぜひこのページで紹介した方法を試してみてください。