腸脛靭帯炎(ランナーズニー)を克服した体験談!治し方や対策をご紹介します!

ランナーズニーの治し方

ランナーズニーは治らないケガではありません!
時間はかかるかもしれませんが、地道にケアしたり治療すれば必ず改善するケガです。

ランナーなら誰もが痛める膝。そんな膝のケガでも、ランナーを悩ませるのが腸脛靭帯炎(ランナーズニー)です。僕は2012年10月下旬に発症しました。

そして、腸脛靭帯炎になってから違和感なく走れるようになるまで約10ヶ月かかり、フルマラソンに復帰できるまで1年半かかりました。

最初は、しっかり休めば長くても1ヶ月程度で治ると思っていたので、ここまで長引く苦しいケガになるとは思っていませんでした。

ケガで苦しんだ10ヵ月間は、良くなったり悪くなったりの繰り返し。本気で走ることもできない。ランニング中は膝に違和感を持ったまま走り、大会にも出場することができず本当に悔しい思いをしてきました。当然、日々のランニング自体を楽しむこともできず、走ることを諦めかけたこともありました。

その都度、同じ症状で悩んでいるランナーの方々の励ましや、野口みずき選手のようにケガで悩んでいる一流ランナーの頑張りに刺激を受け頑張りました。

いろいろな治療方法やランニングフォーム改良など試行錯誤を続けてきましたが、試行錯誤がようやく実を結び、痛みがなくなってきました。

そこで今回は、僕が自分自身で体験した「腸脛靭帯炎(ランナーズニー)の発症状況・治療方法・対策・予防方法」を具体的にまとめていきたいと思います。

ランナーにはケガになりにくい人となりやすい人がいて、僕の場合は後者です。今後も再発する可能性は十分にありますが、(特に足底筋膜炎と腸脛靭帯炎は再発率が高いようです)僕の経験が、同じく腸脛靭帯炎で悩んでいる他のランナーの方の少しでもお役に立てればと思っています。

腸脛靭帯炎の発症から完治までの流れ

まずは、腸脛靭帯炎の発症状況と完治までを表にまとめました。

年 月 状 況
2012年10月下旬 第18回四万十川ウルトラマソンから10日後の練習で発症。ランニングは継続。
2012年11月中旬 1週間後の大阪マラソンに向けて、キロ5分で20kmの最中に痛みが発生。ランニング後動けないほどの激痛になる。
2012年11月中旬 A病院にて診察。腸脛靭帯炎と診断。年内いっぱいのラン中止と治療。
2012年11月中旬~
12月終わり
ランニング休止
2013年1月(お正月) 年が明けたこともあり初日の出ランキロ7分半で3km。腸脛靭帯炎に違和感が発生。
2013年1月中旬 B病院で診察。注射治療しながら「ゆるジョグ」であればOKとの許可がでる。
2013年1月中旬~
3月下旬
注射治療しながら様子見ラン。日によって痛みが強かったり弱かったり。違和感は常にある状態。
2013年4月初旬 A病院に戻して精密検査を受ける。MRI検査で腸脛靭帯に炎症を確認。
2013年5月初旬 自分で試行錯誤しながら治す方向へ切り替える。腸脛靭帯に効果のあるストレッチを導入。毎日ゆっくり実施。
2013年5月中旬 5km以内であれば違和感なく走れる。5kmマラソンに参加。痛みも違和感もなく完走できて回復の兆しが見える。
2013年6月初旬 5km以内のゆっくりペースで腸脛靭帯に痛みが発生。もう二度とまともに走れないのではないかと心が折れてかなり落胆する。
2013年6月中旬 練習にフォアフット走法を導入する
2013年6月中旬~
8月下旬
フォアフット走法の練習の効果か、痛みや違和感なく走ることができるようになる。
2013年9月~12月 10km以下の大会なら問題なく走れるようになる。走った後の疲労感・違和感もなし。アイシングなどのアフターケアは継続する
2014年1月~3月 4月のフルマラソンに向けて長距離の練習を再開。ロング走や追い込んだ練習の後は腸脛靭帯に疲労が溜まるが、アイシングや低周波治療器でアフターケアをする。
2014年4月 フルマラソン復帰!サブフォーで完走!フルマラソンの後も腸脛靭帯炎の発症はなし
次からは表でまとめた内容をくわしくご紹介します

腸脛靭帯炎の発症状況

ランナーズニーはどんな状況で発症するのか?
僕の経験では、それまでの疲労が溜まっている状態+負荷がかかるなどのキッカケで発症すると思っています。

ウルトラマラソン後の練習で発症

第18回四万十川ウルトラマラソンから10日後の練習にて発症。

体や脚にはウルトラマラソンの疲れが多少残っている状態でしたが、11月下旬の大阪マラソンに出場予定だったため、フルマラソン向けのスピード練習として「4分半/km」のペースで走っていました。

6km過ぎくらいから左膝外側に違和感があり、徐々に痛みに変わってきたため、7km過ぎでランニングを中断。足底筋膜炎のときのような全く走れない痛みではありませんでしたが、その日はマッサージとアイシングをして2、3日様子を見ることにしました。

発症後もランニングは継続

3日後、普通の状態で痛みや違和感がなくなったため、6分/kmのペースでランニングを再開しましたが、5km付近で再び違和感が発生し、6km過ぎに痛む状態になったためランニングを中断。

その後、ネットでいろいろな症状を調べた結果、腸脛靭帯炎(ランナーズニー)であることを確信。

「ザムスト(ZAMST) RK-1 ランニングヒザサポーターで膝外側にかかる負担が軽減し、痛みなく走れる」といったランナーさんが多くいたので、早速RK-1を購入。RK-1を使用しながら、7分/kmのペースで毎日10km前後走っていました。

腸脛靭帯が張るような重いような違和感はありましたが、7分/kmのペースであれば痛むことはなく、約2週間ランニングを続けていました。

追い込みの練習で症状が悪化

大阪マラソンを1週間後に控え、さすがにレースペースで走らなければ、ということで5分/kmのペースで20kmの距離のランニングを敢行。

途中、痛みが発生しましたが、痛みを無視して20km走り抜きました。

ランニング終了直後は歩ける状態でしたが、シャワーを浴びた後から事態が急変。ちょっと動かしただけでも左膝の外側に激痛が走り、膝の曲げ伸ばしは痛みで完全にできない状態となりました。

この時点で大阪マラソンのDNSを決意。翌日に病院に行くことを決め、ここから長い治療生活がはじまりました。

今から振り返ると、ウルトラのあとはもっと十分に休養が必要でしたね。当時は経験もなく無理をしてしまいました。でも負荷とケガのバランスはいつになってもランナーの課題ですよね。

腸脛靭帯炎の治療方法

ここからは整形外科で実際にした治療と、腸脛靭帯炎を治すために自分でやってみた施策、継続してやっている予防方法などをご紹介します。

整形外科で治療開始

20kmランで悪化させたため、ここで初めて整形外科で受診することにしました。

A病院の治療

まずは、スポーツによるケガ・膝関節や股関節など関節系のケガの治療で評判が高いA病院で診察を受けました。

  • 年内いっぱい(2ヶ月)のラン中止
  • 炎症止めの投薬治療・湿布による治療

2週間に1度通って上記の治療を続けましたが、2ヶ月経っても歩くときも違和感がある状態で、治る兆しがあまり見えませんでした。

B病院の治療方法

年が明けて2ヶ月経っても症状が改善しなかったため、セカンドオピニオンとしてB病院へ通院。

このB病院は、NPO法人「日医ジョガーズ」に登録している先生が院長を務める病院で、先生自身がランナー(しかも速い!)であるため、ランナーが患うケガや対処法などに詳しいと思ったからです。

A病院とは異なり、炎症止めの投薬治療ではなく、2週間に1度の注射治療。

3ヶ月治療を継続しましたが、腸脛靭帯の状態はその日次第。何もない日があれば、違和感があったり、弱い痛みがあったり、強い痛みがあったり。

3ヶ月の通院で問診ややり取りを続けましたが、受け答えの中でB病院の先生の対応に違和感を感じるようになり、治らない焦りもあり一番落ち込んでいた時期でした。

その後、再びA病院に切り替えて精密検査を受ける。MRI検査の結果、腸脛靭帯に炎症が見られたため、腸脛靭帯炎であることに間違いがないことを確認。

整形外科の治療で劇的に治るわけではないと思い、自分での治療やフォーム改善などに力を入れることにしました。結果的に、自分でのケアやフォーム改善が腸脛靭帯炎の克服につながったと思ってます。

腸脛靭帯に効果のあるストレッチを導入

ストレッチ

それまで、ストレッチを重視してませんでしたが、腸脛靭帯に効果があるストレッチを毎日行うようにしました。

  1. 立木のポーズ(ヨガのポーズです)
  2. 肩甲骨まわり
  3. 肩まわり
  4. 屈伸
  5. イチローストレッチ(開脚して両膝に手をつき腰を落とす)
  6. 開脚(深め)
  7. アキレス腱伸ばし
  8. 太もも前伸ばし(つま先を持って後ろにやる)
  9. 臀部のストレッチ(太ももにもう片方の足首の外側を乗せて深く前傾。バランスが必要)
  10. 脚をクロスさせての前屈
  11. 膝まわし(グルコサミンのCMのやつ)

この中で腸脛靭帯炎の対策として新たに取り入れたのは、1、6、9、10です。僕は体が硬いので、特に6と10は敬遠していたのですが、今は無理ない程度に取り入れています。

ストレッチで筋肉をほぐす・血流を促すという作業はとても重要です。ぜひ走る前・走った日の夜は固くなった筋肉をほぐす意味でストレッチを取り入れてください。

膝を冷やす(アイシングする)

アイシングで冷やす

ランニング後に膝を冷やします。
写真のようなアイシングセットを使ってもいいですが、僕は保冷剤をタオルでくるんで膝の外側に当てるようにしてます。

左膝の外側、ふくらはぎの上部、ふともも全面から外側にかけて合計10~15分程度アイシングしています。アイシングは毎回のこととなると少々面倒ですが、効果があると信じて今も継続しています。

ケガについては、全ての人に当てはまる治療や対策はないのではないかと思っています。体の作りは個人によって違いますし、基本的な治療方針、対策方針はあると思いますが、ストレッチとアイシングは治療にも予防にも重要なことだと感じてます。

フォアフット走法の導入

腸脛靭帯炎で悩んでいるランナーさんが「フォアフット走法に切り替えたところ痛みなく走れるようになった」といっていました。

いままでランニングフォーム改善には消極的でしたが、可能性がある限り何でもやってみよう、ということでnewbalance ミニマス MT10を購入して、フォアフット走法に取り組むことにしました。

ミニマスMT10

結果的に、走るフォームの試行錯誤もケガの改善と予防につながってます。

最近では、ナイキのズームフライやヴェイパーフライなどの厚底シューズを履くと、自然とフォアフット気味の走り方になります。(正確にはミッドフッドくらいだと思いますが)

フォームは人それぞれの個性です。個性を直すのは大変だし、下手にいじるとバランスが悪くなり他の箇所を痛めるという可能性もあります。ただ、何もしないで治らないのであれば、ケガを機にフォーム改善に取り組むのもひとつの方法です。

低周波治療器の導入

ロング走やLSDなど長距離走ったときや、筋肉に張りがあったりダルさを感じるようなときに「低周波治療器」でケアするようにしました。

低周波治療器は

  • 筋肉のこり、固さをほぐす
  • 血流を促して回復を早める

といった効果が期待できます。

科学的には根拠がしっかりある方法だし、実業団やプロのランナーさんもケアに使っている人は多いです。

安いところでいえばオムロンの低周波治療器があるし、伊藤超短波のAT-miniというアスリート向けの携帯治療器もあります。ぜひ参考にしてみてください。

腸脛靭帯炎の対策のまとめ

腸脛靭帯炎(ランナーズニー)発症から約1年半。ようやくフルマラソン完走まで回復して、その後も激しく痛むようなことは発生してません。

長い期間の我慢と試行錯誤が実を結び、1年半後にフルマラソンに復帰。このときほど嬉しいフルマラソン完走はありませんでした。

フルマラソン後も無理をせず、練習や大会参加も「体のケア、脚のケア」を最優先して無理なスケジュールは組みません。今でも疲労回復を重視しながら練習しているため、腸脛靭帯炎は再発してません。

腸脛靭帯炎で落胆した時期は長かったですが、その分ランナーとして得られたものは本当に大きいと感じています。

  • ランニングフォームの改善
  • ランニング後のアフターケア
  • 疲労を考慮した練習メニューの改善

ケガをして自分の体の弱さやランニングフォームのクセを認識できたことで、体のケアを最優先とした練習メニューやマラソン大会のスケジュールを組むようになり、今でもケガせず飽きずにランニングに取り組めてると思っています。

ランナーズニーは治らないケガではありません!ケガはいつか必ず治ります。時間がかかることもあると思いますが、今回ご紹介した治し方や予防方法を参考に、諦めずに頑張ってください!

今現在ケガや痛みで苦しんでいるのなら、自分の思う方法をどんどん試して、自分なりの解決方法を見つけていきましょう!

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