第34回サロマ湖100km完走ブログ!天国と地獄を味わった全記録

2019年6月30日に開催された「第34回サロマ湖100kmウルトラマラソン」に参加しまして・・・

何とか!完走しました!

サロマ湖のメダル

  • グロス:12時間44分40秒
  • ネット:12時間42分54秒

毎年言っているような気がしますが、、、

過去3年間の中で

今年が本っっ当に最も過酷な大会でした!(笑)

タイム的には余力があるように見えますが、終盤何度諦めかけたことか・・・

今回も毎年のようにサロマ湖100kmの全行程をまとめます。長くなりますが、最後までどうかお付き合いください〜

サロマ湖100kmウルトラマラソンの特徴

サロマ湖100kmの特徴

サロマ湖100kmウルトラマラソンは、100kmマラソンの中でも歴史と伝統のある大会で、今年でなんと34回目を迎えます。

「いつかはサロマ」の合言葉でも知られていて、ウルトラを走るランナーにとっては憧れの地。毎年エントリー合戦も熾烈です。

サロマ湖100kmを10回完走すると「サロマンブルー」と呼ばれ、次回からゼッケンがブルーになるほか、舞台となる北見市常呂町に足跡が刻める・陸連登録ランナーより前に整列できるなどの称号が得られます。

さらに20回完走すると「グランドブルー」と呼ばれ、ゼッケンがゴールドに!

サロマンブルーを目指して頑張るわけですね。

サロマ湖100kmの会場と時間

スタート ゴール
100km 湧別総合体育館
5:00
北見市常呂町スポーツセンター
18:00
50km 佐呂間町100年広場
10:00
北見市常呂町スポーツセンター
18:00

100kmの部と50kmの部でスタート地点とスタート時間が異なります。
ゴールは場所も制限時間も一緒です。

参加人数は100kmが3500人くらい、50kmが500人くらいです。

コースの特徴

サロマ湖100kmのコース

サロマ湖100kmウルトラマラソンのコースはほぼ平坦。途中に3,4回急な登り坂がありますが、フラットコースなのでPB更新を狙えるコースです。

サロマ湖100kmの高低差

ただ、制限時間が13時間と他の大会より1時間短いため、僕のようなギリギリランナーは常に関門・制限時間との戦いになります。これが精神的に結構キツい。

ひとつの安心ラインが80km地点のワッカ入り口で残り3時間以上です。

実際に参加して感じた特徴

何回か参加して実感した特徴をまとめます。

  • スタート地点の駐車場はすぐに埋まるので早めに
  • スタートまでの待ちは「文化センターさざ波」が空いてておすすめ
  • 前半は地味なコース
  • 30km〜40kmまでの国道が狭くて少し走りにくい
  • 40km過ぎからがサロマ湖の本番!
  • 42.195kmから54.5kmまでの大エイドが長い
  • 50kmと大エイドからの坂を過ぎれば大きい坂はない
  • 大エイドからは次の目標が立てやすい
  • 大エイドの次は65km手前の魔女の森
  • 魔女の森の次は68km過ぎの斎藤商店
  • 斎藤商店の次は75km手前の鶴雅リゾート
  • 鶴雅リゾートの次は80km手前のワッカ原生
  • 魔女の森には魔女?がいる
  • 80kmからのワッカはすれ違い、追い越しに注意(みんなフラフラだから)
  • 全区間で給水は充実。固形物の食糧の種類は少なめ
  • 天気予報はアテにならない
  • 女性は仮設トイレより道沿いの施設のトイレが空いてる
  • 晴れてるワッカはとにかく雄大!絶景!一度は走るべき!

サロマ湖100kmの本番は40km過ぎから

前半の40kmまでは単調。

30km過ぎからは車の通る国道脇を走るので、追い抜きに気を遣います。体力もあるし淡々と走りましょう。

サロマ100kmの本番は40km過ぎの湖畔を走るところから!

声援も多い区間になるしテンションも上がります。

54.5kmまでの2つの急坂を越えれば、あとは大体平坦。だけど体力・脚的にはどんどんキツくなる。次の目標が決めやすいので目標に向かって走りましょう。

サロマ湖100kmには「魔女の森」という区間と「ワッカ」と呼ばれる区間があります。サロマ常連さんには馴染みのある言葉ですが、サロマに馴染みのない人にはわからないですよね(^_^;)

魔女の森

サロマ湖100kmウルトラマラソンはほとんど木陰がありません。太陽が出ると常に日差しにさらされている状態になります。

唯一木陰となる区間が65km付近の「魔女の森」

誰が呼んだかわかりませんが、サロマ湖100kmウルトラマラソンでのみ通じる言葉です。「森に潜む魔女が疲れ果てたランナーに『散々頑張ったんだからこの涼しい区間だけでも歩いたっていいんじゃない?』と囁き、その誘惑に負けたランナーが次々と歩き出してしまう」というエピソードがあるみたいですね。

ワッカ(ワッカ原生花園)

北海道北見市常呂町にある原生地帯のことで、サロマ湖100kmウルトラマラソンだけの通称ではありません。北側にオホーツク海、南側にサロマ湖に挟まれた1本道の景色美しい場所です。

網走国定公園ワッカ原生花園は、幅200m~700m、長さ20km、約700haにおよぶ国内最大規模の海岸草原(原生花園)で、

(中略)

ワッカとはアイヌ語の「真水」を意味し「水が湧くところ=WAKKA-O-I」に由来しており、生命の泉ともいえるその水は多種多様な植物を育み、多くの動物たちの繁栄を支え、まさに悠久の歴史と自然がつくり上げた奇跡の生態系であるといえます。

1958年7月に網走国定公園に指定され、2001年10月には北海道遺産にも選定されました。

引用:サロマ湖ワッカ原生花園-ワッカ解説

実際に走って毎年感じることですが、

80kmからのワッカ原生は本当に絶景!
ランナーなら人生で一度は走って欲しい場所。

特に今年は(景観的には)絶好の天気で美しかった。

この地域は天気がコロコロ変わるし、天気予報もあまりアテになりません。遅いランナーは暑くても防寒、寒くても暑い時の対策をしっかりと!

あと女性は仮設トイレよりも、道沿いにある施設のトイレ(入れるところが結構ある)を使うと混まなくていいかもです。

サロマ湖100kmの会場入りまで

前日はいつもどおり北見市のホテルに宿泊。

今回はなんとほぼ一睡もできず!

20時くらいに布団に入って30分くらいウトウト〜っとしたけど、そこから結局眠ることができませんでした。全く眠れないのは初めてです。。。

はやくも波乱の予感・・・

とりあえず起床予定の0時半になったので布団から起きてシャワーを浴びます。

朝食は以下の内容。

サロマ湖100kmの朝食

  • たまごサンド
  • いなり寿司2個
  • おにぎり1個
  • 味噌汁

今回はなぜか食欲があって、この写真の全部をたいらげます。僕にしてはよく食べました。

一緒に参加する人たちと2時にホテルのロビーに待ち合わせして、スタート会場となる「湧別総合体育館」に向けて車で出発。約1時間の道のりです。

車の中で軽く睡眠をとらせてもらって、湧別総合体育館に着いたのが午前3時10分くらい。「文化センターさざ波」の駐車場に停めて、建物の中で時間を潰します。

さざ波
<さざ波。空いているのでくつろげる>

100kmマラソンの服装(ウェア)

当日の朝の気温と天気予報から、今日はそれほど暑くならないと予想。
スタート時は以下のような装備で臨みます。

ウェア(服装)

  • サンバイザー
  • サングラス
  • Tシャツ
  • アームスリーブ(アームカバー)
  • ランニンググローブ(手袋)
  • ハーフパンツ
  • コンプレッションタイツ
  • ソックス(RLソックス)
  • ウェストポーチ
  • 手ぬぐい
  • ウィンドブレーカー(シェルジャケット)
  • ハンドタオル
  • レインポンチョ(ノースリーブタイプ)
  • GPSウォッチ

サロマの天気は不安定。昨年のワッカは暴風雨で寒かったし、このくらいの装備が必要です。

僕のようなギリギリランナーがウルトラを完走するためには、事前の準備が超重要!走力だけではなく、自然との戦いにもなるわけです。

ハンドタオルとレインポンチョはハーフパンツのポケットに、手ぬぐいはウェストポーチに挟んで走ります。

まあ、今年は真逆に裏切られたわけですけどね・・・(;・∀・)

100kmマラソンの補給食

お腹がゴロゴロしやすい&胃腸が弱い僕にとって、走っている最中の補給はめちゃくちゃ気を遣います。

今回は途中の給水やエイドで固形物を取らない作戦。すべて自分で携帯するジェルで行こうと考えてました。

■スタート時

  • mag-on(マグオン):2個
  • ハニースティンガー:1個
  • Medalist(メダリスト):1個
  • メイタンCCC:1個
  • 塩熱サプリ:4個
  • レモン飴:2個

■54.5kmエイドでの受け取り

  • mag-on(マグオン):1個
  • ハニースティンガー:1個
  • Medalist(メダリスト):1個
  • メイタンCCC:1個
  • 塩熱サプリ:4個

基本的に10kmごとに1つエナジージェルを摂取する予定です。

まあ、これも予定通りには全然いかなかったんですけどね・・・

スタート地点に移動

4時過ぎに「さざ波」を出てスタート地点に移動します。

今回は4人の仲間と走ります。

シューズ円陣

  • Mさん:いつも速い人。今回も11時間切り目標
  • Oさん:直前で調子を上げてきて12時間切り目標
  • Pさん:海外旅行の連戦とケガが響いて練習不足。完走目標
  • 僕:ケガがどこで爆発するか?完走目標

54.5kmのエイド用荷物とゴール地点に送る荷物を預けて、室内練習場で待機。

4時30分過ぎにスタート地点に向かって移動。途中でトイレに寄りたいといったPさんとお別れ。3人でスタート地点へ整列。

スタート地点

いよいよ第34回サロマ湖100kmウルトラマラソンのスタートです!

第34回サロマ湖100km全行程の振り返り

ここからは、第34回サロマ湖100kmの振り返りです。

想像以上に早かった脚の痛み!走りは順調

午前5時、サロマ湖100kmウルトラマラソンスタート!

第34回サロマ湖100kmスタート
<スタートロスは1分45秒くらい?>

爆弾を抱えている腰から脚にかけての痛みがいつ爆発するのか?6月ほとんど走れなかった影響はでるのか?とはいえ、ケガするまではしっかり練習してきたはず。不安と期待が入り交じる中でのスタートとなった。

スタート時は寒くてウィンドブレーカーとグローブをつけていたが、すぐにウィンドブレーカーを脱いで腰に巻く。5km手前でグローブも脱ぐ。

スタートから5kmくらいかけて湧別町をぐるっと1周してスタート地点に戻る。タイムはキロ6分30秒~45秒くらい。順調な滑り出しだ。

5kmを過ぎたあたりからスタート地点ではぐれたPさんと合流。ここからPさんと会話しながらキロ6分半前後で走る。

・・・と、

「ん?あれ・・・?雲行きが怪しい・・・?」

雲行きとは脚のこと。ケガをしている右のお尻から太もも裏にかけて痛みだしてる。この遅いペースでもこんな早く痛み出すか。。。一気に不安が襲う。
とはいえ走れない痛みではないため、今のペースを維持したまま進む。

10kmを過ぎてトイレへ行きたいというPさんとお別れ。再び一人旅。気温は暑くなく寒くなく、日差しもなく絶好なラン日和。このままいけば今年も世界記録が出るんじゃないだろうか?

走りやすい環境でペースも自然に上がる。キロ6分10秒~15秒くらい。脚は痛いけど、ペースが落ちてしまう「抜けるような強い痛み」はまだ無い。順調に進む。

18km過ぎ

18km過ぎから左手にオホーツク海、右手にサロマ湖といったコースになるが、ワッカのような景色や雰囲気の良さはない。風が強く寒くなってきたので再びグローブをつける。

先に走るMさんとすれ違い。順調そう。
次にOさん。3分差くらいか?

三里番屋の折返し

20km手前の「三里番屋の折返し」を過ぎて20km計測。20kmまでは2時間10分。キロ6分半の理想的なペースだ。

今年も日差しが!鬼門の30km~40km

20km~40kmまでが毎年ひとつの鬼門。

農場を通る直線

代わり映えしない直線、農場、車の通る国道を走るコースで、この区間は正直あまり面白くない。毎年ペースが落ちる区間。我慢の走りが必要だ。

今年は涼しさもあってか、30kmくらいまでキロ6分10秒から15秒をキープ。例年にないハイペースだけど走りは軽い。やはりケガを除けば、今年が一番脚ができている。サブ3.5を達成した走力の貯金もあるようだ。

27km過ぎのトイレが空いていたので初めてのトイレへ。トイレはあと1,2回で済ませる予定。

だが、後半にまさかのトイレ地獄が待っていようとは。。。

薄曇りから日差しが見え始める。再び雲に隠れてほしいが、気持ちとは裏腹に徐々に日差しは強くなる。

車が走る国道

30km過ぎから最も苦手な国道コース。道路脇を走るのでランナーの追い抜きに神経を使う。すぐとなりを車が走るのもストレスだ。

加えて暑さも増してくる。今年は昨年以上に早い暑さだ。
アームスリーブ(アームカバー)を外す。

35km過ぎの水かぶりで手ぬぐいを濡らして首に巻く。首元の暑さ対策になるし、汗で塩吹いた顔を拭うこともできる。

暑くなってきたけど走りは順調。早くに痛みだした脚も一定の痛みから強くなってない。体は少しずつ疲れてきたけどまだまだいける!

40km通過は4時間20分。順調にキロ6分半ペース。

ただ日差しの暑さは増していく・・・

順調なペース!ただ徐々に気持ち悪さが

40km過ぎから、いよいよサロマ湖100kmの本番!

40km過ぎのサロマ湖

サロマ湖を大きく見渡せる景色のいいコース。
沿道の応援も一際賑やかになる。

それにしても日差しが暑い。このまま持つのか?

42.195kmを過ぎて、手元の時計で4時間33分。
いつもこの辺を4時間50分前後で通過しているから20分近くも早い。だが体に無理な感じはない。

国道に戻る手前の水かぶりで手ぬぐいを濡らして気合い入れ。
45kmを過ぎてからが意外と長くてしんどいコース。集中力が切れそうになるコースだけど、平坦な区間はなるべくペースを維持したいところ。

目標は10km先のレストステーション「ホテルグランディア」
照りつける日差しの中、順調なペースで走る。

が、このあたりから徐々に気分が悪くなってくる。

真夏の暑さではないものの、日差しがボディーブローのように体力を奪っていく。半分もいかない時点で胃腸がやられていく。つくづく弱い体だ。

48km過ぎの上り坂は一度も歩くことなく通過。下り坂にいた女性からコーラをもらう。。。けど、いつものようなリフレッシュ感があまりない。

脚の痛み・疲れはそれほどひどくなってない。まだ走ることができる。

50km地点

50km通過は5時間28分。またまたキロ6分半ペース。過去のサロマの中で一番通過タイムは早い。

「大エイドの休憩を含めても、60kmで残り6時間いけるんじゃないか?脚が痛くならなければ、ひょっとして12時間切りも狙える!?」

といった皮算用。
脚に無理をかけないため、50kmからの坂道は歩く。ここで脚を使い切って大変だった年もあるため。経験は大きい。

50km過ぎ
<照りつける日差し。遮るものは何も無し>

給水所でしっかり水分をとりながら走り、ついに54.5kmのレストステーション「ホテルグランティア」へ。

ホテルグランティア

スタート地点で預けた荷物が受け取れるレストステーション。スポーツドリンク、水、お茶、アミノバイタルパーフェクトエネルギー、おにぎり、軽食などが置いてある。

僕のようなギリギリランナーは荷物を受け取ってからスピード勝負。

  • 補給食のジェルをウェストポーチに補充
  • 塩熱サプリをウェストポーチに補充
  • アミノバイタルパーフェクトエネルギーを摂取
  • 胃薬・足つり防止の漢方を摂取
  • レッドブルを摂取
  • フェイスシートで顔や腕を拭いてリフレッシュ

ここまでで6分くらい。
荷物で用意していたおにぎり・パンは一切食べられず。今回は体の疲れよりも胃腸のダメージが早い。

ほどなくしてOさんが到着!
先に行ったと思っていたけど、Oさんがどこかのトイレに入っている途中で抜かしていたらしい。Oさんも驚いていた(笑)

目安の10分となったので、Oさんに別れを告げて大エイドを後にする。

大エイドを出るとしばらく坂道が続くがウォーミングアップがてら歩きで。
次の目標は65km手前の「魔女の森」
毎年寒さに震える魔女の森だけど、今年は森の木陰の恩恵を受けることができそうだ。

脚は順調、だが胃腸はどんどん悪くなる。加えて腸もグルグルしだしている。上からも下からも出そうだ。

日差しが暑いサロマ

60km通過は6時間55分。
残り40kmを6時間。キロ9分で間に合う計算で、よほどのことが無い限り完走できる残り時間だ。

だが、暑さは引き続きボディーブローを喰らわせてくる。雰囲気的に完走確定の余裕はない。

そしてその不安は症状として現れてしまう。

まさかの大失速!胃腸が完全に機能停止に!

60km過ぎ。
給水所でスポーツドリンクを飲んだ直後の出来事。

あまりの気持ち悪さに道路脇の草むらに嘔吐。
ここまでジェル系しか摂ってないから、すべて水分。マラソン大会で吐いたのはこれが初めて。そこまで胃腸をやられていたのか。

ただ、気持ちはそれほど後ろ向きではない。
グレートレースに出るような世界的なランナーも、気持ち悪くなって吐くのはよくあること。その後しっかり復活して走っている。

世界的ランナーと違うのは僕が虚弱であること。
ほどなくしてお腹が急激に張りだして苦しい状態に。
魔女の森の前のトイレで用を足す。
トイレ待ちも合わせて10分のロス。

体が重くてダルい。
急激に悪化していくのがわかる。
魔女の森前の給水所で望みをかけてレモンを3個ほど補給。昨年、ここでレモンを食べたら体力が回復したけど、今年はあまり意味がなかった。

魔女の森入り口
<魔女の森 入り口>

今年の魔女の森は涼しい。
森の木陰がひとときの涼しさを与えてくれる。体調の悪さにこの涼しさはありがたい。なんとか走りを続ける。

途中で「魔女」と遭遇。

魔女1

毎年遭遇してるけど、今年は頑張って写真をパチリ!

魔女2

でも「(私が)魔女よ~~~」って呼びかけはどうなの?(笑)

途中でコーラを配ってる女性に遭遇。
・・・あれ?この女性、50km手前の下り坂でコーラを配ってた人だ!

そう、サロマには、長いコースの場所を移動して応援したり、飲み物や食べ物を配っている人が結構いる。こういう人がいるからこそランナーは頑張れる。

魔女の森を抜けて再び日差しのもとへ。
体調がどうにも上がらない。ペースもキロ8分30秒へ。前半の貯金があるとはいえ、残り35kmにしてタイムが落ち込みすぎている。
でも体が苦しくて気持ち悪くてまったくペースが上がらない。

斉藤商店
<斉藤商店>

68km地点の斉藤商店のトイレで2回目の嘔吐。
どうにも吐き気が止まらない。
熱中症っぽい症状だ。
「このまま終わるのかも・・・」
このレース初めて弱気になる。

斉藤商店の椅子に座って温かい麦茶を飲む。

斉藤商店は元々は私設エイドだったが、ここ数年は公式エイド扱い。寒い日には温かいものを中心に、暑い日には冷たいものを置いてくれる。スタッフさんもみな親切で優しい。

3分ほど落ち着かせて「頑張って!」の応援を背に再び走り出す。
目指すは75km手前の「鶴雅リゾート」

脚は残っているのに、めまいと吐き気がどうにもつきまとう。
息もあがってとにかく苦しい。
お腹もグルグル状態が続く。

72km過ぎ、あまりの腹痛と吐き気で再びトイレへ。3回目の嘔吐。
嗚咽だけで何もでない。水分がちょっと出るくらい。そりゃそうだ。54.5kmのエイドから何も食べられずにいるのだから。
タイムをどのくらい消費しているのか?
前半の貯金は?
判断できないほどのダルさと疲労。

もうここでずっと休むか?
いやいや、とにかく鶴雅リゾートまで頑張ろう。

鶴雅リゾートまでの5kmは平坦で長い区間、残り30kmという長さ。体力的にも精神的にも一番折れそうな区間だと思う。ここからワッカまではとにかく心が折れないことが重要。

フラフラになりながらもキロ8分で進み、なんとか鶴雅リゾートへ。

鶴雅リゾート

鶴雅リゾートのエイドは、お汁粉と素麺が名物。

さっぱりと素麺を食べたかったけど品切れ。
お汁粉をもらって少しだけ口に含む。
が、胃が強烈に拒否。

ここで5分休憩すると決めてスマホのLINEを見る。
知人から応援が入っていたので
「吐いてペースが上がらない」
「制限時間が厳しそう」
と弱音を吐く。

『もう十分頑張ったよ』
との返事。

たしかに、ここでリタイアしてもみんな「よく頑張った」って褒めてくれるだろう。でもほんとにそれでいいのか?自分で歩みを止めてしまっていいのか?

「とりあえず行ってみるよ」

これは強がりの返事。今すぐにでもやめたい。
でも強がりが背中を押してくれた。
目指すはワッカ。まずはそこまで行こう。

しかし、どうにも体が重くて吐き気がおさまらない。
ペースがまったく上がらずにいた77km過ぎ。

ついにアート鈴木さんに追い抜かれる!

当ブログにたびたび登場するアート鈴木さん。最年少サロマンブルー、グランドブルー保持者で、いつもタイムギリギリでゴールすることから「鈴木さんの前にいれば完走できる」と目安になるランナーさん。

逆を言えば、鈴木さんより後ろにいることはタイムアウトを意味する。

万事休す。終わった。。。
鈴木さんについていくこともできない。

今年は完走は無理だったか。。。
今までは天気に恵まれていただけ。
つくづく体が弱いな、俺は。
もうウルトラはこれで最後にしよう。

ネガティブな考えが次から次へと出てくる。

とりあえずここで止まっても仕方ない。ワッカの前の関門エイドまで自力で走っていこう。そう自分に言い聞かせて進む。

79.3kmのワッカ手前の関門についたのが15時05分。残りは2時間55分。

70km~80kmまでは、なんと1時間45分もかかっている。
それほど苦しんだ10kmだった。

ワッカの雄大さ?目に見えぬ応援?復活のラン!

ワッカ原生花園前の給水所。
お腹が痛かったのでトイレへ。
5分経過。残り2時間50分。

スポーツドリンクとオレンジジュースをもらって、座って5分休むと決める。少し気分も落ち着いたので「メイタンCCC」を摂取。54.5kmのエイドを出てから初めてのエネルギー補給。

5分経過して残りは2時間45分。

ここまでのペース・体力を考慮すると

  • 残り2時間50分はなんとか完走できるライン
  • 残り2時間40分は完全にアウト

残り2時間45分は??
ここまでの体調を考えると完走は絶望的だろう。
ここから20km、とても持つとは思えない。

ワッカの入り口に向けて歩き出すが、気持ちはかなり揺れている。
ここでリタイアして収容バスを待つか?
ワッカに入るとなかなか回収されないし、自分で歩かないといけない。

どうする?やめるか?

・・・でも、自分で止めるのはやっぱりかっこ悪い。行けるところまで行って、それで関門に間に合わないのなら仕方ない。

最後まで出し切ろう。
そして、天気のいいワッカの景色を見て帰ろう。

葛藤がありながらも、最後まで走り切ると決めてワッカ原生へ。

ワッカ原生の入り口
<ワッカ原生花園の入り口>

上り坂を歩いて登り、平坦なところにきてから走り出す。

・・・
・・・あれ?
なんかペースアップできてる?

出すもの出し尽くしたからか?ワッカに入る前に休憩を入れたからか?まさかのメイタン効果?
とにかくここへ来てのペースアップ!

木陰のコースを抜けて、目の前にワッカ原生が広がる。

ワッカ原生の景色

素晴らしい景色に心を奪われる。
僕がよく見てきたワッカはまさにコレだよ!
雨風吹きすさぶワッカはここにはない。
やっと天気のいいワッカに出会えたよ!

ここで折り返したMさんとすれ違う。
あとでMさんに聞いたところ「アート鈴木さんより後ろだったからダメだと思ったよ」とのこと。たしかに、僕もこの時点ではまだダメだと思っていた。

ただ、ペースはいい感じで上がっていく。絶景と心地よい向かい風が味方したのかもしれない。
キロ6分30秒→6分28秒→6分21秒。

多少の気持ち悪さはあるけど、ここまでの体調不良が嘘のようにペースが上がる。歩いているランナーをどんどん追い抜いてワッカを突き進む。

そしてついにアート鈴木さんを追い抜かす!
再び安全圏へ。

とはいえ、またどこで体調が悪くなるかわからない。ペースを緩めずにグングン進む。

ワッカは基本的に平坦な一本道だが、ところどころ起伏があって侮れない。またすれ違うランナーも含めてみんな一番苦しい局面(見た目からしてフラフラな人もいる)なので、ランナー同士の衝突に注意したい。

88kmを通過したあたりから、遠くに「第2湖口橋」が見える。一面が自然の風景の中で、突然現れる人工物が逆に壮大で美しい。

ワッカの橋に入る前あたりでOさんとすれ違う。
だいたい5分差くらいか?

ついに晴れてるときのワッカの橋を渡る時がきた。

第2湖口橋の上り坂

上り坂は歩いて進み、折り返し地点を過ぎて再び橋の頂上へ。

ワッカの橋

そして橋の頂点で写真をパチリ!

ワッカの橋の頂上

写真では伝えきれないけど、橋から見えるオホーツク海、ワッカ原生、そしてサロマ湖がただただ雄大。頑張ったご褒美に相応しい風景がここにある。

ずっと眺めていたいけどゆっくりしている暇もない。橋を下って給水所でスポーツドリンクとスイカを食べる。スイカならなんとか食べられそう。

ここからのラスト10kmはとにかく長い。
普段ならなんてことはない10km。
90km苦しんだあとの10kmは、1kmごと、500mごとが長く険しい。

ワッカ往路の調子の良さはすでになくなっている。気持ち悪さはなくなったけど、とにかく息が上がって苦しい。ペースをキロ8分くらいに落としても苦しさは変わらず。全身疲労で息が上がってしまうのだろう。

90km地点で残り1時間30分以上あったので、めまいやケガが無い限り完走できる余裕ができた。このレース始まって初めての余裕。給水所で休憩をとりながら慎重に進む。

残り5km

目標は完走。できるだけ歩くことなく、どんなに遅くてもいいから最後まで”走る!”

95km地点に給水所があるが、水不足らしい。1人1杯までと制限された。この95km地点(往路だと83,84km?)の給水所は毎年水不足になっているので注意が必要。

95km地点を通過して残り5kmがとにかく長い。
もうワッカは十分堪能したから早く出口へ向かわせてくれ(笑)

再び木陰のコースを走って残り3km。
ワッカ出口の下り坂を勢いよく駆け下りる。

ワッカを後にして、ゴールとなる北見市常呂町スポーツセンターへ。
残り2km。

腰、太もも、アキレス腱、脚は痛くなっているものの、ここ数年の中では脚だけは一番残っている。走力はあっただけにこのタイムは悔しい。

でも、途中の体調不良でよく諦めなかったな。
絶望的な残り時間の中で、よくワッカへ入っていったな。
ちょっとだけ自分で自分を褒めたい。

残り1kmはウイニングラン。
スポーツセンターに向けて応援が大きくなる。

「お疲れ様~~~!」
「ナイスラン!頑張った!」
「よく帰ってきたねーーー」

ひとつひとつの応援が身に染みる。

この応援を味わいたくて、苦しい中頑張ってきたんだ!

最後の直線を終えてコーナーを曲がりゴールへ。

あれ?
よく見るとちょっと先にOさんの姿が!
ほとんど同じくらいまで追いついてたのね。

などと考えているうちに、

第34回サロマ100kmのゴール!!

第34回サロマ湖100kmゴール

  • グロス:12時間44分40秒
  • ネット:12時間42分54秒

ゴールして待っていたOさんとハイタッチ!

そして、残念ながら54.5kmのエイドでリタイアしてしまったPさんが、ゴール直後の写真を撮ってくれた。

ゴール後の写真

本当に、本当につらかった、苦しかった・・・

「今年はヤバかった~~~~」

Oさんと苦しさを分かち合う。

苦しんだ分、ゴールした瞬間の達成感は過去最高!

長い長い戦いが終わった。

第34回サロマ湖100kmのゴール後

ゴール後は疲れがでないうちに荷物を受け取って体育館へ。

体育館に向かう途中で温かいコーヒーにたっぷりの砂糖を入れてもらった、、、のですが、Pさんにコーヒーを預けたら何故か全部飲まれてしまっていた(T_T)

今年もゴール後の神対応

今年もゴール地点にMさんの姿はなく。

11時間ちょっとでゴールしたMさんは

  • ゴール後すぐにシャワー、身支度を済ませる
  • 17時発のバスで1時間かけてスタート地点へ
  • 18時頃に車で出発して再び1時間かけてゴール地点へ
  • 19時くらいにゴール地点に到着(予定)

という神対応を今年もやってくれました!
体育館でゆっくりくつろげる。バスの時間を気にしなくていい。1時間以上早くホテルに帰れるというのは、疲弊しきった今の状態ではとてもありがたいことです。

動くことはできるけど、胃のダメージがハンパない。あれだけ気持ち悪くなって吐いたりもしたからね。夕飯食べられるかな?

夕飯を食べて少し回復

19時過ぎに常呂町スポーツセンターを出発してホテルのある北見市へ。
20時過ぎに北見市のココスに到着。

焼き肉で有名な北見市。今年こそ夕飯は焼き肉!?って思っていたけど、胃にダメージを受けた僕がいるのでファミレスです。

オムライスをなんとか完食。

サロマ湖100km後の夕飯

食べたらまあまあ元気が出てきました。全然食べられなかったからエネルギー枯渇、ハンガーノックみたいにもなっていたのでしょうね。

Mさんはステーキ&ハンバーグセットにビールをジョッキで2杯。

「やっぱり胃腸が強い人がウルトラも強い」
「胃腸の弱さはどうにもならん」
「ウルトラは今年で引退します!」

と、これも例年のやり取り。
とはいえ、この時は本気で「もうやめよう」って思ってるんですよ!

食事をしながら今日1日の振り返り。
今年もなんとか完走できてよかった。

21時半くらいにホテルに戻って、シャワーを浴びて1日の汚れと疲れを洗い流す。

昨年よりも疲労感が強いので、荷物を全部投げ出して早めに就寝。

長くてつらい1日がようやく終わりました。

第34回サロマ湖100kmウルトラマラソンのまとめ

今年は春のフルマラソンでサブ3.5を達成!サロマ湖100kmも自己ベスト、12時間切りする!と考えてましたが、その夢は叶いませんでした。

ですが、直前までの脚のケガの具合を考えれば、完走できただけでも上出来です。

ケガをして直前1ヶ月はほとんど練習できない状態で臨んだ今大会。ケガも完治せず不安の中走った100kmでしたが、ケガはそれほど影響しませんでした。

かわりに、暑さからの体調不良!
過去1番に苦しんだ大会でした。

もう絶対でない!体弱い僕にはウルトラはやっぱり無理だ。

走っている最中も、走り終わった後も何度もそう思ったのに、日にちが経つにつれてどんどん充実感と達成感が大きくなってます。辛いことって忘れるものですね。

再びあの地へ戻りたい、ワッカを走りたい。
毎年のことながら、今はもう来年のことを考えてます。

やり残した課題もあります。
サロマでの後悔は、サロマでしか晴らせません。

自分の課題をクリアするため、1年後、またサロマに。

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