2018年6月24日に開催された「第33回サロマ湖100kmウルトラマラソン」
今年も(何とか)完走しました!!
- グロス:12時間37分20秒
- ネット:12時間35分04秒
過去3回の大会に比べて最も過酷な大会で、最も達成感のある大会でした。
今回は、当日の会場入りからレースの全行程までの完走記をまとめます。
かなり長くなりますが、最後までご覧ください~~
サロマ湖100kmスタート地点入りまで
0:30 起床
前日の20時くらいに就寝。
ウトウトしながら目が覚めたり、眠りは浅かったですが3,4時間くらいは休むことができました。今年も少しは寝ることができてよかった。
例年通りシャワーを浴びて、準備をしながら朝食です。
- いなり3個
- おにぎり1個
- しじみの味噌汁
パンともう一つのおにぎりは会場に行くまでの車の中で食べるつもりでしたが、車ではパンを半分食べる程度でした。これも僕にとってはいつもの量です。
今回も「サロマブルー」を意識して青で統一
基本はこの格好で、最終的にはスタート地点の天候でウィンドブレーカーや雨ガッパを着ようと思ってました。
ストレッチをして、走る格好に着替えて、足裏のテーピング。これも僕の中では定番のルーティーンです。
今回もゼッケンは、腰に巻くゴムにホチキスで付ける方式をとりました。
ウィンドブレーカーを着たり脱いだりするときに便利なのですが、ここで1つだけ失敗!ホチキスの芯の閉じる部分が内側になってしまいTシャツに引っかかって脱ぎにくくなってしまいました(T_T)
閉じる部分が外側にくるように止めましょう~~
2:00 ホテルパコジュニア北見を出発
一緒に参加する他の2人と2時にホテルのロビーに集合。すぐに車で出発してスタート地点である「湧別総合体育館」を目指します。
出発時の天気は曇り。
当日の天気は「午前が曇りで15℃~19℃くらい。午後が雨で寒くなって10℃前後」という予報。1日中雨じゃないだけで昨年と同じような天気です。
「雨は嫌だけど日差しが出て暑くなるよりはマシだよね~」
なんて会話をしながら車を走らせてました。
これが大会の行方を占う会話になるとは・・・
3:00過ぎ 湧別総合体育館に到着
午前3時過ぎに湧別総合体育館に到着。
昨年は3時50分くらいに着いて駐車場が満車だったので、今年は余裕をもっての到着です。さすがに駐車場の車もまだ少なめでした。
気になる天候は曇り。
薄明かりが見える程度で気温も低い。
土砂降りだった昨年よりは全然マシで、絶好の環境の中走れるのでは?と期待で少しワクワクする気持ちもでてきます。
例年通り駐車場のところにある施設で準備です。
ここで最終的なスタート時の格好を決めるのですが、今年も迷いました!
外は雨じゃないし午前中は降らない予想。とはいえ、午後は間違いなく寒くなるし曇りなら気温もそれほど上がらないんじゃないか?と。寒さに震えて低体温症になるのは嫌です。
結局、最終的なスタート時のウェア(格好)は以下と決めました。
- サンバイザー
- サングラス
- ランニンググローブ
- アームカバー
- ファイントラック(上半身のインナー)
- Tシャツ
- mont-bellの超薄ウィンドブレーカー
- ワコール機能性タイツ
- ハーフパンツ
- ランソックス
- ミズノウェーブライダー(シューズ)
- 雨対策ノースリーブのポンチョ※ポケットに
- ハンドタオル※ポケットに
- 薄手の手ぬぐい※ウェストポーチに縛る
- ティッシュ※ウェストポーチの中
- GPSウォッチ(EPSON J-300T)
- iPhone※ポケットに
最初に結果だけ言ってしまうと、
薄手の手ぬぐいはグッジョブ!!
逆にファイントラックは判断ミスでした・・・
スタート時にウェストポーチに入れる補給食は
- メダリストエナジージェル2個
- ハニースティンガー2個
- スズメバチのやつ1個
- アミノバイタル2個
- 塩熱サプリ5個
というラインナップ。
これはまあまあいい内容でした。
絶好の天気そうなので思わずピースw
まさか、ここから過酷な環境になるとは、、、
このときの自分に教えてやりたい(笑)
ちなみに、この時着ているウィンドブレーカーですが、昨年一緒に参加した知人から教えてもらったmont-bellのウィンドブレーカーで、折りたたむとポケットに入るサイズと薄さになるのでとても便利です。寒い時期の登山でも使っていてかなり重宝してます。
4:20 円陣を組んでスタート地点へ
アミノバイタルパーフェクトエネルギーを飲んで、一緒に参加する知人と円陣!
今回参加する3人の走力は
- 僕:12時間30分前後
- 知人M:10時間半~11時間切り
- 知人O:12時間切り
といった感じです。
昨年のようにケガもしてないし練習も順調。
密かに12時間切りを狙ってました。
スタート20分前のスタート地点。
雲はあるけど薄明かりが見えます。雨はなさそうですね。
サロマ湖100kmの全行程
5:00 スタート!!
午前5時、第33回サロマ湖100kmウルトラマラソンスタートです!
昨年よりも天候は良さそう。
体も順調だけど、どのみち100kmはつらくて長い道のりです。
「できるだけ楽しんで、サロマを堪能しよう」
そう思って臨んだスタートでした。
スタート~20km 大きな落とし穴
まずはゆっくり20km地点の「三里番屋の折返し」を目指します。
昨年のように土砂降りがない。
水たまりを避けて走るストレスもない。
「水たまりを回避する渋滞」もない。
気分良く走り始めます。
・・・が、
ほどなくしてなんとなく違和感。
全然ペースが上がらないのに、なんかハアハアする。
理由はすぐにわかりました。
「暑さ」です。
さっきまでの厚い雲はなくなり、薄曇りながらも日差しがある状態。
Tシャツの下のファイントラックはすでに汗びっしょりです。
このときの心拍を後でみたら170~180bmpという高い数値になっています。そりゃ息もあがっちゃいますよね。
しばらく走り続けましたが
「このまま走り続けたらヤバイ」
と思い、9km過ぎたところでファイントラックを脱ぎます。
- ウェストポーチを外して
- ゼッケンを脱いで
- Tシャツを脱いで
- ファイントラックを脱いで
- Tシャツを着て
- ゼッケンをつけて
- ウェストポーチをつけて
- ファイントラックをポケットにしまう
2分くらいのロスでしたが、ここでの判断は正しかったです。
やっぱりファイントラックは、10℃以下になるような冬並みに寒いとき以外は着たらダメですね。抜群の保温力が今回はアダとなりました。
ファイントラックを脱いでからは少し涼しくなり走りやすくなりましたが、日差しは徐々に強くなり気温も上がります。
ほどなくしてアームカバーも外します。
サロマ湖を右手に影が出るほど日差しがでてきました。
曇りで走りやすくなると思っていただけに想定外。たぶんこの思いは周りのランナーも一緒だったと思います(笑)
地味な暑さの中走り続けて、20km手前でようやく最初の折返し「三里番屋の折返し」です。
本当はもう少し速く通過するはずが、想定外の暑さにやられましたね。
20km~40km 早くも疲労が・・・
想定外の日差しにさらされながら走り続けると、25km手前くらいのところで「アート鈴木さん(鈴木健司さん)」に遭遇します。
鈴木さんは、最年少グランドブルー(20回完走)走者であり、制限時間ギリギリ完走マスターとしても有名で、鈴木さんより前を走っていれば必ず完走できる!という証拠です(笑) 当ブログでも何度も登場してますねw
過去3年間の中で一番早い地点での遭遇です。
「今日はこのまま暑いんですかね?」
「水をいっぱいかぶっていきましょう!」
などと会話をして鈴木さんの先を進みます。
そのまま走っていると、25km過ぎくらいでトイレ休憩をしていた知人のOさんとちょうど合流します。
Oさんも暑さが苦手なタイプのランナー
「想定外の暑さだよね~」
「すぐに心拍数が上がって息もあがっちゃいますね」
などと話しながら一緒に走りますが、途中の給水所を機に僕が少し前を走ります。
30km過ぎからサロマ湖とはしばらく離れて、車が通る国道を走ります。
昨年はここも雨で、水たまり・他のランナー・車を気にしながらのランでしたが、水たまりのストレスがないだけでもかなり楽に走れますね。
とはいえ、今年はやっぱり暑さが厳しかった!
油断するとペースが落ちるし、キロ6分後半~7分くらいをキープするのがやっとです。早くも体の疲れ、脚の疲れがでてきました。
40kmを前にして
「この地点でこの疲労度かぁ、、、走りきれるのだろうか・・・」
と弱気になります。
まずはもう一度、サロマ湖を拝むために走り続けます。
40km~60km 暑くてつらい長い道のり
40km過ぎてサロマ湖と再会です!
ちょっと写りが悪いのですが、3年間の中では一番いい天気!そしていい景色!
自然とテンションも高くなって楽しくなります。
サロマ湖の雄大な景色の中走るのは気持ちいいですね!
「今年は天気の良い美しいワッカに出会えるだろうか?」
などと80km過ぎのワッカ原生花園を思い浮かべながら走ります。
サロマ湖を左手に少し走ると、今年も達成!フルマラソン42.195km地点です。
今年は天気が良かったせいか、写真撮影で待ちました(笑)
沿道の応援の人も昨年とは比べ物にならないほどの人数と盛り上がりで、応援が励みになるしやる気もでますね!
45kmを過ぎてからはまた車の通る国道を走ります。
国道に入る前に「かぶり水(ポリバケツの水を柄杓でかけてくれる)」ポイントがあり、そこでスタートから持っていた「手ぬぐい」を濡らして首に巻きました。
冷たい水で濡らした手ぬぐいがめちゃくちゃ効果あり!!
グングンあがる気温と日差しに、そのままの状態だったらヘロヘロになっていたと思いますが、首に巻いた冷たい手ぬぐいが暑さを和らいでくれます。
スタート時に手ぬぐいを持って走ると決めた俺、グッジョブ!!
と心の中で思いながら走っていました(笑)
とはいえ、この国道が地味に長くつらい。
そして、気温も暑いことには変わりなく、残りもまだ50km以上。
加えて暑さによる疲労のため、だんだんと胃が気持ち悪くなってきます。
「こんな状態で体力も脚も持つだろうか・・・?」
気持ちが少し弱気になります。
そんなとき、ツイッターのフォロワーさんがくれたアドバイスを思い出しました。
「これまで積み重ねてきたトレーニングがあります。自信を持ってスタートラインに立ってください。」
そう、長いウルトラは心が折れたら終わり。
弱気になりそうなときに、いかに強く心を持てるかです。
「ここまで順調に走り込んできたから大丈夫!」
そう言い聞かせて走り続けて、ついに半分の50km!!
ここからは距離的には折り返し。
走ってきた距離よりどんどん短くなるだけです。
50km地点を堺にした大きな坂道は歩き、下りも慎重に。脚を温存します。
そのまま順調なペースで進み、54.5km地点の中間エイド(レストステーション)である「グランディアサロマ湖」に到着。写真、撮り忘れました!(笑)
到着時刻は6時間20分程度と昨年とほぼ変わらずw
ここで10分休憩して、6時間30分(11時半)には出発したいところ。
僕のようなギリギリランナーの場合「レストステーションでいかに効率よく想定の作業をこなし、残りの時間を休息にあてるか」がポイントになります。
- 荷物袋を受け取る
- 椅子に座る(今年は出口の奥の椅子が空いていた)
- レッドブルを飲み始める
- アミノバイタルパーフェクトエネルギーを摂取
- メイタン・サイクルチャージ・カフェインプラス200を摂取
- エナジージェル・塩熱サプリをウェストポーチに補充
- クリームパンを半分食べる(ギリギリ詰め込む)
- 9km地点で脱いだファイントラックを荷物袋の中へ
本当は塩にぎりなども食べる予定でしたが、気持ち悪くて無理。
天気良く日差しも強かったので、mont-bellのウィンドブレーカーも預けようとしましたが、後半寒くなるという天気予報と「長いウルトラは何があるかわからない」という自分の思いを信じて、腰に巻いて持っていくことに。
ここでのウィンドブレーカーの判断もグッジョブ!!
後々、大いに役に立ちます。
すべての作業を5分で終えて、残りの5分は休息にあてます。
荷物を預けて手ぬぐいをかぶり水で濡らし、今年もグランディアサロマ湖の出口の坂をゆっくりと歩きながら出発。
後ろに走っているはずのOさんをレストステーションで探しましたが見当たりませんでした。
レストステーションを過ぎてからは、なかなかの上り坂と下り坂が続き、急な部分は歩きをいれながら、60km地点にたどり着きます。
60km地点到着は07:11:45。
今年も7時間ジャストはクリアできませんでしたが、なかなかのいいペース。ケガがなければ完走が見えてくる時間なので少しだけ余裕がでます。
とはいえ、100kmウルトラマラソンはここからが正念場。
トイレ休憩を入れて気合を入れ直します。
60km~80km 気分的に一番順調だった区間
60kmを過ぎたあたりからだんだんと涼しくなります。
暑さに弱い僕にとってはありがたい!
さらに、給水所で食べたレモンが疲労回復にめっちゃ効く!!
レモンは疲労回復のクエン酸があるとはいえ、スライス1枚を舐めただけで回復するほどの量とは思えません。ですが実際に体の疲れは一時的に吹っ飛ぶので、めっちゃすっぱい酸味に脳がだまされるのかもしれませんね。
疲れたときにレモンは結構効く!勉強になりました。
レモン効果で自然と進むペースも上がります!
昨年はかなり苦しかった65km付近ですが、今年は順調です。もちろん疲れていますがしっかり踏み込んで走れている気がしました。
遠くに木々が生い茂るポイント、通称「魔女の森」が見えた頃、、、
左の太もも裏から膝裏にかけて攣りそうになります!
順調に進んでいる中での落とし穴。
ラン歴8年で1回も出なかった部分の攣りです。
攣らないようにスピードを抑えますが、そのままだと本格的に攣ってしまう状態。攣りがクセになるとまともに走ることはできません。
走るのを一旦やめて、太もも裏を中心に入念にマッサージ。
マッサージが功を奏したのか、すぐに走れる状態になります。このあとも何度か攣りそうになりますが、その都度マッサージをして凌ぎました。
日差しの暑い日は生い茂る木々が一時の安らぎを与えてくれる「魔女の森」
魔女の森で写真を撮るためにスマホを見たとき、LINEに未読がたくさんついていることに気がつきます。
開いてみると、仲の良い知人がランナーズアップデートを常にチェックしてくれて、10kmごとに声援を送ってくれていました!
これはめちゃくちゃ嬉しかったですね。
常にレースの様子をチェックしてくれて、いつ見るともわからない僕に声援を送ってくれる。
このとき、攣りそうな脚と、だんだんと寒くなる状況の中で気持ちも弱気になっていたので、かなりやる気が蘇りました!
この声援をきっかけに魔女の森は軽快に進みます。
途中、寒くなってきたのでポケットのアームカバーを装着。
さらに魔女の森を抜けたところで、風と霧(サロマ湖から風に乗った水滴)でさらに寒くなり、腰に巻いていたウィンドブレーカーを着込みます。
魔女の森を抜けると、黄色い建物が目印のエイドポイント「斉藤商店」が来るはずです。
「寒いときに温かいタオルと温かいお茶が助かるんだよな~」
と思いながらたどり着くと、、、
「あれ!!?黄色じゃない!!」
昨年まではこんな感じで黄色い建物だったんですよね
それでも温かいタオルとお茶は健在。
2分くらい椅子に座って休憩を入れて斉藤商店を後にします。
69kmのチェックポイントを通過したあたりから、さらに風と霧が濃くなり「視界が悪くて遭難するんじゃないか?」と思うほど。
このへんからTシャツ、短パンだけのランナーはかなり寒そうにしてましたね。
途中「給水まであと500m」と書いてありながら、かぶり水しかない騙しポイント(毎年ある)を通過してw 寒さと疲れに顔を歪めながら走り続けると、75km手前の私設エイド「鶴雅リゾート」にたどり着きます。
実は、前半でやられた胃の気持ち悪さは回復してなく、60kmくらいから何も食べない状態でした。
ここでは椅子に腰掛けてゆっくりと「おしるこ」をいただきます。
寒く疲れた体に、温かくて甘いおしるこが最高でした!
ここでは4分休憩すると決めて、太もものマッサージ、アキレス腱のマッサージをして回復させます。
・・・と、マッサージをしている間にポツリポツリと雨が降り始めて、だんだんと本降りになってきました。
「強い風と寒さに加えて雨まで降ってきたか!やはりウルトラ、やはりサロマ、簡単には終わらせてくれないな!」
などと思いながら、ポケットからノースリーブの雨用のポンチョを取り出してかぶります。ホントにちゃんと準備しておいてよかった~~。
雨風にさらされながら、もちろん疲れは限界ですが、それでも1秒でも早く80kmポイントにたどり着くために走ります。
今年も水はけの悪い歩道の水たまりにストレスを感じながら、水たまりを回避しながら走ります。対岸に見えるはずのワッカのランナーの姿も、今年は霧で見えません。
そんなことを考えながら走り続けて、ついに!ワッカ手前の関門79.3kmポイントにたどり着きます。
ここまで要した時間は9時間40分くらい。昨年よりも10分以上早い到着でかなり余裕ができます。
ここの給水所で、寒くなって邪魔だった手ぬぐいを「ワッカの帰りに取りに来るから」といってスタッフさんに預かってもらいます。
ドリンクをもらって地べたに座って太ももやふくらはぎのマッサージ。
「このまま順調に走れば12時間30分は切れるかな?」
と考えながら、最後の正念場「ワッカ原生花園」に足を踏み入れます。
80km~ゴール 最も過酷だったワッカ原生花園
80km地点を過ぎて木々を抜けるとワッカ原生が広がります。
サロマ湖100kmウルトラマラソンの写真といえば、美しいサロマ湖と、青く広がるオホーツクの海とワッカ原生の写真をよく目にします。
こんなやつですね。
左手にはサロマ湖、右手にはオホーツク海の最高のロケーション!
それがこちらです!!
写真ではわかりにくいですが、、、
- オホーツク海から吹きすさぶ冷たい強風
- 顔を打ちつける激しい雨
- 霧立ち込めるサロマ湖
全然楽しめね~~~~(T_T)
オホーツクからの強烈な北風が向かい風となって行く手を阻みます。さらに雨が容赦なく打ちつけてくるので、体力以上に心も折ってきます。
心の中で
「おとなしいワッカが牙をむいた!」
とかキャッチフレーズを考えながら走ってました。
まあ、そんなことを考えながら走っていたということは、まだどこかで余力があったのでしょう。
程なくしてかなり先を進んでいた知人Mさんが戻ってくる姿が!
すれ違いざまに
「帰りはかなり楽だから!」
と声をかけられます。
Mさんも往路は大変だったみたいですね。
Mさんの言葉を信じて、折り返し地点である「ワッカの橋」を目指します。
・・・が、ここで新たなトラブル!!
なんとなく平衡感覚が保てずフラフラします!
寒さか?
エネルギー不足か?
75km地点の鶴雅リゾートでおしるこを食べて以来、エナジージェルも全然食べていなかったので、エネルギー不足が考えられます。急いでウェストポーチに入っているハニースティンガーを2つ摂取。胃が気持ち悪いけど無理やり流し込む。
昨年もそうでしたが、ここから折り返しまでの5,6kmがとにかく長い!
普段なら何でもない5,6kmが、この日は永遠と続くかのごとく長く感じます。走っても走ってもまだワッカの橋は見えません。
折り返して帰ってくるランナーの中には、ランパンランシャツで寒さに震えながら走ってる人もいます。
吹きさらしの待機所で、銀色のシートにくるまって震えてる人
銀色のシートにくるまったまま倒れ込んでる人
まさに地獄絵図。
そんなことを考えながら走っているうちに、ついに89km折り返し地点の橋が見えてきます。※写真撮りたかったけど今年も余裕なし~(T_T) いつになったら自分で収めることができるのか
いつ見ても大自然には不自然すぎる壮大な橋。
不自然すぎる姿が、逆に幻想的な雰囲気を醸し出しています。
ワッカの橋の急勾配は当然歩き。
特に今年は橋を通り抜ける向かい風が強すぎて、僕の周りでは走っているランナーはひとりもいなかったと思います。
近くにいたサロマンブルー(完走10回以上)のランナーと
「今年のワッカは過去数年の中でも一番つらいね」
などと話しながら橋を折り返し。
折り返したところの給水所で温かいお茶を飲み、90km地点通過は11時間15分。
90km地点を過ぎたくらいで「鈴木健司さん」とすれ違います。
ゆっくりしたペースで相変わらずギリギリですw
そしてその200mくらい後ろから30km地点でわかれたOさんの姿が!
鈴木さんの後ろだったので「完走、大丈夫かな?」とも思いましたが、足どりはしっかりしてスピードもあるので大丈夫そうです。
行きに向かい風だった強風も、帰りは楽な追い風です。
大きなアクシデントがなければ完走は確実!
・・・と思っていた矢先、急にトイレに行きたくなります。
しばらく騙し騙し走っていましたが、だんだんとお腹を圧迫するくらいのストレスに。
96km地点くらいのトイレに並び用を足します。
ここで5分くらいのロス。
ネットで12時間半切りを目指していましたが、ここのロスで諦め。
あとはゆっくり進みます。
今年も天気のいいワッカには出会えませんでしたが、昨年よりも足取り力強く走っていることに満足です。
ワッカ原生が終わり、木々を抜け、入り口付近の坂道を慎重に下り、給水所で預けていた手ぬぐいを受け取ります(笑)
残すはあと2.3km。
本当にラストのランです。
ここまでの道のりを振り返りつつ、目の前のつらさを我慢しながら歩を進め、残り1km。
ゴールの常呂町スポーツセンターに近づくにつれて沿道の声援も多くなります。
「お疲れ様!」
「よく頑張ったねー」
「あと少しだよ!」
左右からの絶え間ない応援に、このときだけは疲れも飛び、充実感・達成感で満たされます。
「100km頑張ったね!」という応援も、心から祝福してくれる感じで、こちらも嬉しくなります。
最後のコーナーを曲がり、ゴールまでの直線を他のランナーと間隔をあけながら、、、
100kmの最後は(今年も)歩きながら両腕を上げてゴール!
- グロス:12時間37分20秒
- ネット:12時間35分04秒
あれだけ長い道のりだったのに、最後の直線からゴールまではあっという間。本当はもっとゆっくり堪能したいところですが、やっぱり1秒でも速くゴールしたいと思ってしまうのはランナーだからですねw
今年も長く長く、そして厳しい戦いが終わりました。
サロマ湖100kmのゴール後
今年は体力的に余力あり!
昨年はゴール後に外でダウンしてしまい具合を悪くしてしまったので、今年はゴールの余韻に浸る間もなく荷物預かり所を目指します。
途中で温かいコーヒーに砂糖をたっぷりいれてもらい一杯。
このコーヒーがめちゃくちゃ美味しかった~~(^^)
荷物預かり所で青い袋(スタート時に預けたゴール用の荷物)と赤い袋(54.5km地点の荷物)を受け取り、更衣室である体育館へ。
体育館についてからも昨年のような寒気・震え・疲労はなく、Oさんのゴールを待ちます。
・・・と、ここで先にゴールしてるはずのMさんがいないのに気がつきます。
スタート前に「もし、スタート地点に戻る時間があったら車とって来ちゃうよ」と言っていたのを思い出します。
スマホのメッセージを見ると
「お疲れ様です。17時発のバスで車を取りに行っています。ゆっくり休んでてください」というメッセージが!
僕たちのこれからの行程は
- 最終19時までのスタート地点行きのバスに乗る(今は18時前くらい)
- バスで1時間かけてスタート地点へ
- スタート地点から1時間かけてホテルのある北見市へ
となるはずでした。
ですがMさんは
- 10時間50分(15時50分くらい)でゴール
- シャワー、身支度を済ませて17時のバスでスタート地点へ
- 18時くらいから車で再びゴール地点へ
- 19時くらいにゴール地点へ僕とOさんを迎えに(予定)
そう、Mさんもゆっくり休みたいところを急いで身支度してバスに乗り、再び1時間運転して僕らを迎えに来てくれるという神対応!凄すぎる!!
Mさんがいるからこそ、毎年安心してサロマ100kmに参加できてます(笑)
ほどなくしてOさんがゴールして体育館へ
「マジやばい・・・今年はやばい・・・」
いつも余力を残すOさんがかなり限界っぽい。それほど今年のサロマは過酷な環境でした。
身支度を整えて横になっているとMさんから着いたとの電話。まだちょっと動けないので体育館まで来てもらいます。おんぶにだっこです(笑)
でも昨年よりダメージは少ないし、歩くこともできます。脚もそこまで痛くありません。ただ胃の疲れが大きく気持ち悪い状態が続きます。
20:00 北見市のヴィクトリアで夕飯
19時過ぎに常呂町スポーツセンターを出発してホテルのある北見市へ。
途中のセイコーマートでおしるこを買うけど、まだ飲む余裕はなし。
20時くらいに北見市のヴィクトリアに到着。
これも例年通り2日連続ヴィクトリアでの夕飯です(笑)
昨年は半分くらい残した煮込みハンバーグとライスでしたが、今年はしっかり完食!ご飯もしっかり食べました!
夕飯中は今日の振り返り。
過酷な100kmの話で盛り上がります。
今年も全員完走できて、楽しく話すことができてよかった~~
23:00 就寝
21時半くらいにホテルに戻り、シャワーを浴びて1日の疲れと汚れを落とします。
昨年ほど脚は痛くなくて、お風呂場の段差も平気。
昨年よりトレーニングを積めたからなのかな?
ちょうど24時からサッカーワールドカップ日本vsセネガル戦があったのですが、さすがに眠気に勝てず23時ころ就寝。
0時半に起床してから丸一日。
サロマ湖100kmウルトラマラソンの長い一日が終わりました。
第33回サロマ湖100kmウルトラマラソンのまとめ
今年は、4月に風邪で2週間くらい走れない日がありましたが、それ以外は順調。トレーニングもしっかりこなせたし、ケガもありません。膝に痛み止め注射を打って臨んだ昨年と比べたら絶好調でした。
とはいえ、さすが100km!簡単には完走させてくれませんね。
前半の暑さは体力を奪われて堪えたし、後半の強い雨風は修行のようでした。
走りながら何度も「もう出ない、100kmは甘くなかった!」と思いながら走ってましたが、昨年よりもしっかりと走れている自分に嬉しさも感じていました。
そして、完走した後の充実感・達成感は他の大会では味わえない、言葉では言い表せない大きなものがあります。フルマラソンとは違った特別なものです。
ウルトラマラソンは何度出ても学びがあります。
今回で言えば
- どんな状況にも対応できる事前の準備・計画が大事
- 胃薬はもっといっぱい飲む
- エナジージェル系は予定通り摂取する
- レモンは疲労回復効果が大きい
- 人の声援は力になる
ということを学びました。
あれほど苦しい思いをしたのに、今は「もっとこう練習すれば速くなるんじゃないか?こう工夫をすればラクに走れるんじゃないか?」と来年のことを考え始めてる自分がいます(笑)
ウルトラを目指すランナーなら「いつかはサロマ」です。
僕のようなギリギリランナーでも完走できるので、たぶんみんなも走れますw!
サロマで思う存分、一日かけてランを楽しみましょう!!