積もった雪の上を走る。
というと走らない人はわけわからないかもしれない。
でもランナーはいついかなる時でも走りたいものです。雨の日も風の日も、そして雪が降って積もった時でも走りたいんです。
まだ雪が全然降らない地域ならいいんです。ごくたまに降った日は休足日にしてゆっくり休めば。
でも、山間部・東北地方、特に北海道のランナーさんはそんな悠長なことは言ってられないんです。12月から3月までガッツリ積もってますからね。
記録を目指す市民ランナー、タイムが上に行けば行くほどそれだけの期間走らないわけにはいかない!
というわけで今回は「雪の上でも快適に走れる専用のスノーシューズ」をご紹介します。
普通のランニングシューズだと雪の上は無理
最初に言いますが、
普通のランニングシューズだと、雪の上のランはまず無理です。
絶対に転ぶ
ぎゅっと締まった新雪ならまだ何とかなるかもしれませんが、水分を含んだシャリシャリ雪、ちょっと凍った雪などは絶対ムリ!
足を蹴り出した瞬間に「ツルーーーン!」っといってしまいます。これは僕の体験談なので間違いありません。
足が尋常じゃないくらい冷たい
ソールが雪仕様じゃないからアッパーも当然非対応。
メッシュ素材から雪(水)が入り込んできて靴の中がびちょびちょ。さらにめっちゃくちゃ冷たいから、足が痺れるような痛さでとても走りに集中できません。
おすすめの雪上ランニングシューズ
スノー用の雪上ランシューズ、専用で作られている商品はそれほど多くありませんが、その中でも「これならしっかり走れる!」というシューズをご紹介します。
アシックス ゲルスノーターサー(GEL-SNOWTARTHER)
雪用ランニングシューズといったらコレ!
というシューズが、アシックスの「ゲルスノーターサー(GEL-SNOWTARTHER)」です。
みんな履いてます。
雪国ランナーなら誰でも履いてます。
それほど有名で唯一無二のシューズです。
雪上でのレースやトレーニングのために作られた特別なターサーで、屈曲性に優れたアウターソールと細かなブロック意匠が雪上でのグリップ力を高めます。
さらに防水性がありながらも軽量素材を使っているので、重さをそれほど感じることなく、軽い足さばきを実現してくれます。
僕も1足持っていますが、思わず雪の上を走りたくなるシューズ。冬になると何回かは雪が待ち遠しくなるシューズです。本格的な雪国の人はそうは言ってられないと思いますが。。。
- 全面が防水性のアッパー
- 雪でも氷でもグリップするアウトソール
- 足首から雪が入りにくい構造
雪の上でもしっかりトレーニングしたい!というランナーさんにはこれ以上ない雪用のランニングシューズですね。
アシックス ゲルスノーライド(GEL-SNOWRIDE)
もうひとつアシックスから「ゲルスノーライド(GEL-SNOWRIDE)」という雪用ランニングシューズがあります。
こちらも走るためのシューズですが、スノーターサーよりも、より滑らない・グリップ力を重視したシューズ。
珪砂入りスノーコンパウンドラバーとウェットグリップラバーのコンビネーションソールが、雪上での優れたグリップ性を発揮します。
こちらも走ったことがありますが、雪上での安定感は抜群。ふらつきやすい路面状況でも安定して走れるし、ギュッとしたグリップ力があります。
反面、スノーターサーのようにスピードを求めるシューズではないので、普段のランニングのジョグペース、または普段履きに最適な雪用シューズですね。
- 雪上でしっかりグリップする
- 着地の安定感が抜群
- ジョグから普段履きに最適
メレル AGILITY PEAK 5 ZERO GORE-TEX
ふかふかの深い雪・ザクザク雪・圧雪されたアイスバーン。過酷な雪や氷のあらゆる環境に対応して走りたいなら「MERRELL(メレル)」の「AGILITY PEAK 5 ZERO GORE-TEX」です。
足首まで覆う一体型のゲイター構造で、深い雪や濡れた雪でも水がシューズの中に入ってくる心配はありません。
さらに突起のあるビブラムソールが雪面をしっかり捉えてくれるので、グリップ力は抜群で凍った雪の上でも滑らずグリップを保ってくれます。
雪や氷などでグリップを発揮するシューズは接地が硬くなりがちですが、このシューズは程よい柔らかさもあるので走りやすさもしっかりキープしてくれます。
もちろん過信はできないけど、ほとんどの雪や凍った路面でも威力を発揮してくれるので、普段の雪道なら全く心配なしで走ることができます。さらに水分を含んだベシャベシャ雪でも問題なし。雪山じゃなくても平地の雪上でも対応してくれます。
少し値段がお高めだけど、雪上ランニングをよし一層楽しいものにしてくれるおすすめNo.1のスノーシューズです。
- 雪上・氷上しっかりグリップ
- 水分の多いベシャ雪でも大丈夫
- 長距離のアスファルトは不向き
あまりおすすめしないシューズ
ネットではおすすめの雪上ランニングシューズと紹介されているものの、個人的にあまりおすすめしない商品があります。
それは「On Waterproof(オン ウォータープルーフ)」シリーズ。
最初に言いますが、Onのウォータープルーフ自体はめっちゃいいシューズです。軽くて防水性の高いシューズなので、雨とかちょっとしたトレイルでバシャバシャ進むような状況で力を発揮してくれます。
でもこれを「雪用」と紹介するのは違うと思います。
それはアウトソールが雪(氷)に不向きであること。
アウトソールが硬めなので柔らかい雪でグリップ力がそれほど発揮されません。滑るようなシャリシャリ雪や凍った雪ではあまり効果がないです。これは実際に履いて走った経験なので間違いありません。
ひょっとして走り方で個人差があるのかな~・・・なんでこれを「雪でも大丈夫!」と紹介しているのか正直疑問です。
雪上ランニングでの走り方
いくらシューズの性能がよくても、走り方がダメだと雪の上でも思ったように走ることはできません。
雪上でランニングする場合は
- 脚を蹴り出して進もうとしない
- 着地はなるべく足裏全体で着地
- 蹴り出すのではなく脚全体を移動させる
上記のような感覚で走ることが重要です。
この状態でしばらく走ると、脚の裏側・臀部・ハムストリングの疲労感が大きくなります。普段と走り方が違うので使われる筋肉も違うんですね。
蹴り出すことができない状態で脚を動かそうとする動きは「フルマラソン終盤で疲れたときの動き」に似ています。そのため、雪上でのランニングが普段のマラソンにつながるトレーニングになるんですね。
- ランニングシューズが雪用で
- さらに走り方も対応してること
この2つが噛み合って、雪上ランニングが快適になるものです。
ぜひこのページでご紹介した「雪用ランニングシューズ」を活用して、雪上ランを楽しんでみてください。