100kmウルトラマラソンを初めて挑戦するランナーにとって、未知の距離だけにわからないこと不安になることも多いと思います。
僕が100km挑戦を決めた時に真っ先に調べたのが練習方法。
「どんな練習をしてどのくらいの距離を走ればいいの?」というのは気になるところです。
100kmを完走するためにランナー雑誌などでよく言われるのが以下のような内容です。
- 月間走行300kmを3ヶ月
- 本番距離の6,7割(つまり60km~70km)を1回は走る
え?こんなハードな内容の練習はできないよ・・・と思ったあなた。安心してください、僕も100km挑戦でここまでは練習しません(笑)※本当はできたほうがいいとは思いますが(^_^;)
ここまでの練習をしなくても100kmウルトラマラソンは完走できます。
サロマ湖100kmウルトラマラソンや四万十川ウルトラマラソン、その他全国各地で開催されるウルトラマラソン参加者も年々増えていて、ウルトラマラソンに向けて練習されている方々も多いと思います。
このページでは、僕の経験を踏まえて、100kmウルトラマラソンを初めて挑戦する人向けのトレーニング内容をご紹介します。
あくまでも「ギリギリ完走を目指す人向け」ですので、ご了承ください・・・
ウルトラマラソン向けの理想の練習内容
まずは理想の練習内容から。
この練習内容をこなせば、どんな100kmウルトラマラソンの大会でも完走することはできるし、完走は当然としてタイムを狙える走力もつくと思います。
僕自身、この練習をいつかはこなしたいと思っています。
練習メニュー
- 月間300km(大会3ヶ月まえから)
- 平日15km~20kmのロング走
- 休日30kmくらいのLSD
- 月に1回は50km~60kmからの超ロング走orLSD
といった感じです。
体の疲労と相談しながらですが、できるだけ1回の練習距離を多くして、月1回は100kmの5,6割を走る練習にする。
これの練習をこなせば、本番の中盤付近(50kmくらい)で脚がいっぱいいっぱいになったり疲労が大きくなることはないと思います。
もちろん終盤は脚の疲れ、体の疲れはでてくると思いますが、タイムを狙える走りができるはずです。
理想は上記の練習内容を目指してください。
フルマラソンの大会を練習に使う
スケジュールが合えば、フルマラソンの大会を練習に使うことが効果的です。
1回の練習でひとりで40km以上走るというのは、なかなか根性(精神力)が必要です。特に休まず走り続けるというのは難しいことです。※少なくとも僕は練習では心が折れてしまうので(笑)
フルマラソンの大会ならある程度真剣に走るし、途中で休むこともありません。文字通り「完走」を目指せば、フルマラソンは100kmウルトラマラソンに合わせたこれ以上ない練習となります。
ただし、ケガや疲労が溜まっているときは全力を出しきらず余力を持って臨んでください。100km本番前に大きなケガをしたり、疲労が蓄積された状態で本番を迎えては意味がありません。
ウルトラマラソン大会5ヵ月前からの練習内容
さて、ここからは僕自身がやっていた実践内容です。
2012年10月に開催された「四万十川ウルトラマラソン」に挑戦したときの練習内容です。
このときは6月に足裏のケガを発症して、6月中旬~7月中旬まで約1ヶ月くらい走ることができませんでした。
いつものランニング練習内容
月間170~200km。平日は10km。週末ロング走(20~30km)中心。
100kmウルトラマラソンに向けた月間走行距離
7月 :84km(足裏のケガのため)
8月 :230km
9月 :266km
10月:163km(10月20日までの20日間)
1回の練習での最高距離:35km
※但しウルトラマラソン大会2週間前のフルマラソンを練習とするなら42.195km
トレーニングメニュー
練習はLSD中心。スピード練習は気分転換程度でほとんどなし。
ウルトラ向け練習の月別の走行距離
ウルトラマラソンの事前練習として言われるのが、以下の2つです。
- 大会3ヶ月前に月間300km
- 最低1回でも本番レースの6、7割の距離を1回の練習で走る
僕は2つとも達成できませんでした(笑)
※何度も言いますが達成できるに越したことはありません。
僕の場合は
- 大会3ヶ月前に月間250km
- 最長距離は本番レース4割の42.195km
という内容でした。
これは6月中旬に「足裏のケガ」を発症し、7月中旬までの約1ヶ月間走ることができなくなった影響が大きいです。ケガが治り少しずつ走れるようになってからも無理をせず「ケガするくらいなら練習不足の方がマシ」という考え方のもと「まずはケガなくスタートラインに立つこと」を目標にしました。
トレーニングメニューの詳細
LSD(Long Slow Distance)中心です。
練習期間が夏場だということもあり、ペースは「7分/km」。スピード練習は気分転換にやる程度でほどんどやりませんでした。
LSDが苦手な人は気ままなジョグペースでいいと思います。スピード練習は負荷が大きいので、距離を伸ばしたときに同時にやるのはおすすめしません。
ウルトラマラソン大会3ヵ月前
重要なのが「月間の走行距離を増やすこと」です。
僕の場合、足裏のケガが治った大会3ヵ月前の練習として、まずは週末のロング走の回数を頑張って増やし「月間200kmオーバー」を達成しました。
ウルトラマラソン大会2ヵ月前
練習の回数を減らし、その分1回に走る距離を増やしました。
【例えば月~金の練習で】
普段の練習:10km×5回=50km
LSDの練習:17km×3回=51km
この時期は平日も頑張って朝4:30に起きて5:00に走りはじめ、1時間半~2時間近く走ったりしてました。週末には地元の幹線道路や山々を1周するLSDをやりましたが、毎週ではありません。もちろんペースは7分/km。
ウルトラマラソン大会1ヵ月前~2週間前
超ロングLSDを試しましたが、目標「1回の練習で50km」のところ、結果「35km」で断念しました。夏の暑さで予想以上の疲労があったのと、足裏のケガの再発を懸念したためです。
最終的に、2週間前の「新潟シティマラソン(フルマラソン)」を最終練習と位置づけ、この大会をそれほど疲れることなく走れれば大丈夫!としました。根拠は全くありませんが(^_^;)
ウルトラマラソン大会2週間前~当日
休足期間として、走る回数と距離を徐々に減らしていきましょう。
毎日走らないと落ち着かないという人は、1回で走る距離を短めに。スピードは出さないでジョグペースを意識するといいでしょう。
2週間前くらいから大きいケガをしたら元も子もありません。
少し物足りないくらいでOK。僕は大会1週間前にハーフ走をして、残りは10km以内のジョグでつなぎ、全ての練習を終了としました。
100kmウルトラマラソンで準備するもの
100kmウルトラマラソンの当日に必要なグッズやウェアについて、僕が使っているチェックリストを公開します。参考にしてみてください。
絶対に忘れたらダメなもの
- ゼッケン(大会からの資料全部)
- ランニングシューズ
大会からの資料は、面倒でも全部持っていくようにしましょう。当日提出するものなど入っていて、うっかり忘れる場合があります。記録タグやゼッケンは絶対に忘れちゃダメ!
走るときのランウェア(ラングッズ)
- ランニングキャップ(サンバイザー)
- Tシャツ
- ハーフパンツ
- ランソックス
- アームカバー
- サングラス
- ランポーチ(リュック)
- ランウォッチ(腕時計)
- ロングタイツ(寒い時)
- ウィンドブレーカー(寒い時)
- 手袋(寒い時)
- レインポンチョ(雨の時)
- クールタオル(暑い時)
ランポーチで携帯するもの
- エナジージェル
- 塩飴(タブレット)
- 携帯ティッシュ
- ハンドタオル
- 絆創膏
- 胃薬
- スマホ
- 小銭(大会による)
ランポーチやポケットに携帯します。
レストステーション(大エイド)で受け取る荷物
- エナジージェル(補充用)
- 塩飴(補充用)
- アミノバイタルゼリー
- レッドブル
- 軽食(パンなど)
- タオル
- フェイスシート
- ウェットティッシュ
- 日焼け止めクリーム
- スポドリ(経口補水液)
- 冷湿布(肩に貼るかも)
- ランソックス(一応)
- Tシャツ(一応)
ゴール後に受け取る荷物
- フェイスシート
- ボディーシート
- ウェットティッシュ
- パンツ
- 靴下
- Tシャツ
- ジャージ
- ジャケット(寒い時)
- 帽子(寒い時)
- ビニール袋(大小多めに)
- スポドリ
- モバイルバッテリー
スマホ充電用にモバイルバッテリーは結構重要!
泊まりの荷物で忘れそうなもの
- キネシオテープ
- 携帯用のはさみ
- 痛み止め(解熱剤)
- 胃薬
- 正露丸
- スマホ充電器
- ランウォッチ充電器
- USBコンセント
胃薬、正露丸などは胃腸虚弱な僕専用です(笑)
ウルトラマラソンで最も大事なこと
ウルトラマラソンで最も大事なこと。
それは
諦めない心
と
根性
です。
70km、100kmと走るウルトラマラソンでは、当然ですが体の変化も激しいです。足が痛くなったり、気持ち悪くなったり、お腹が痛くなったり。
そういう状況においても焦らず、できる限りのことをやる。どんなに遅くても(キロ8分、9分ペースでも)走るのをやめないこと。これが大事。
走っていて時間が経つ間に不思議と回復することもよくあります。エイドの食事か?カフェイン入りのジェルの影響か?とにかく良くも悪くも体調は変化します。
また、大会に限って、早々に足が痛くなったり、普段の練習では発生しない痛みやアクシデントが発生することもあります。
ウルトラマラソンは誰でもキツい大会です。
とにかく自分からは諦めないこと。
制限時間で終わる以外、自分で足を止めないこと。
ウルトラ完走のために重要なことです。
ウルトラマラソンに向けたトレーニングのまとめ
フルマラソンを歩かず走りきれる人なら誰でも100kmは走れます。
大会の制限時間もあるので一概には言えませんが、制限時間が14時間以上ある大会であれば、サブ4.5くらいでフルマラソンを完走できる人なら誰でも100km走る下地はあると思ってます。
僕が初めてのウルトラマラソンで完走できたのは、比較的制限時間が緩い大会(制限時間14時間)で、道中の大きなケガやトラブルがなかったためかもしれません。(とはいえ、スタート~30kmまでの高低差600mの上り下りはきつかったですよw)
もちろんもっと良いタイムで走ろうと思えばそれなりの練習が必要となりますが、制限時間内の完走を目標とするなら、多少の上積みは必要でも練習時からそれほど神経質になる必要はないと考えます。
暑さ寒さによっても全然違うし、1日がかりなので周りの環境の変化も大きく影響するのがウルトラです。
100kmウルトラマラソンなら、50kmで体はいっぱいいっぱい、70kmからはひたすら「根性!」だけです(笑)
ぜひ、ウルトラの醍醐味である「苦しみ」と、苦しみの先にある「達成感」「充実感」を存分に味わってみてください。