2012年10月21日に出場した第18回四万十川ウルトラマラソン。
100kmウルトラマラソン初出場でなんとか完走を果たしましたが、走っている最中は過酷のひと言。
四万十川ウルトラマラソン当日の様子をご紹介します。日付が変わってまだ日も明けない夜中から長い長い1日が始まります。
四万十川ウルトラマラソンのスタートまで
まずは起床からスタートまでの様子です。
2:00 起床
午前2時に宿毛市のホテルで起床。
浅い眠りで24時くらいに目が覚めたりしましたが、比較的眠ることができました。
朝食にランチパックを1個とジャムパンを半分。食べ過ぎてお腹ゴロゴロになった新潟マラソンの反省を踏まえて少なめにしました。
着替えて足底筋膜をサポートする足裏テーピングを施して準備完了。iPhoneで1日の天気を確認し雨の可能性がないことから雨具はホテルに置いていくことに。
3:10 ホテルアバン宿毛出発
会場から車で40分くらい離れた「宿毛市」に宿をとっていたので、朝は宿毛駅から会場最寄りの中村駅まで電車移動です。
大会が用意した旅行パックだと、宿泊費が倍ちかくになるうえ相部屋になる可能性もあるので、会場からは少し遠いですが宿毛市のホテルを個人で予約しました。個人で宿毛で予約すれば、確実に個人で部屋が確保できるし、部屋も広い。大会前日も当日もホテル近くまで臨時バスが出るので、個人的には宿毛がおすすめです。
ホテルアバン宿毛から徒歩で宿毛駅へ。
さすがに深夜で道が真っ暗のため足元を確認しながら駅に向かいました。
3:20 宿毛駅着
誰もいない深夜の駅はそこだけ明かりがついていて不思議な感じでした。
3:40発の中村行き臨時電車に乗車。
程なく満席となります。向かいのランナー同士が10時間を切るか切らないかという話をしていてちょっとビビる(笑)
他のランナーからも臨戦態勢というか、何とも言えない緊張感が電車内を包んでいました。
中村行きの臨時電車
何とも言えない緊張感です
4:10 中村駅着
中村駅からは臨時バスでスタート会場の「蕨岡中学校」まで行きます。
バス乗り場は朝モヤで、以前として真っ暗。
10分程待ってバスに乗り込み移動。
4:40 蕨岡(わらびおか)中学校着
バスの到着地点から橋を渡って蕨岡中学校の校庭へ。
変わらずモヤっています。
橋を渡って校庭へ
朝モヤが幻想的
開会式が始まる前に「スーパーヴァーム ドリンク」と「アミノバイタル ゼリー」を摂取して荷物を預けます。
5:00 開会式~スタート地点へ移動
校庭で開会式。トイレを済ませてスタート地点へ移動。
スタート集合ものんびりです。緊張感がありますがどこか和やかな、他の大会では味わったことのない雰囲気です。
途中で和太鼓の演奏が後押ししてくれます。
肌寒かったため、たいまつの近くで暖まりながら待機。
四万十川ウルトラマラソンのレース本番
5:30 スタート!!!
ついに100kmの道のりがスタート!
今まで経験したことのない距離と時間が待ってますが、特に気負うことなく、自然に入れました。
しばらくは歩道のロウソクの明かりが道標です。
スタート~10km
徐々に明るくなってきましたが、山中のためかなり霞がかかりモヤってます。
10km過ぎから上り・・・と聞いてましたが、10km手前で既に緩やかな上り坂です。ペースが速くならないように注意して走りましたが、それでも7分/kmを少し切るくらいのペースになってしまいました。
10km~20km
本格的な上り坂が始まります。
特に後半の急勾配は無理して脚を使うことはしないで、積極的に歩きました。
途中で早くも左足の親指に痺れるような痛みが発生。普段の練習でも他の大会でも経験したことのない痛みで、しかも早い段階での発生で少し焦りましたが、「まあ、走れない痛みではないし、長く走ってるうちにあちこち痛くなるさ」っと気持ちを切り替えて走りに専念します。
食料もある大エイドは20kmのところにあると思っていましたが、20kmを過ぎてもまだ登ります。
登った人
登ってくる人
写真ではわかりにくですが急勾配
20km~30km
20kmを過ぎると最初の大エイド。
おにぎりとカステラを頂きます。
塩を付けて食べたおにぎりが本当に美味しかった。
他には、バナナ、梅干し、レモン等があり、ほとんどのランナーさんが一度立ち止まって休憩していました。
ここでの滞在時間は5分。この時点ではまだまだ休む時間も調整する余裕がありました。
大エイドを過ぎると約10kmの下り坂。
脚への負担がかからないように注意してゆっくり走りましたが、脚に余力がある分、下り道は足取り軽く、景色を堪能しながら楽しんで走りました。(この下りで着実に脚に疲労が蓄積しているのですが、それを知るのはまだまだ先・・・)
脚もまだまだ。下りは楽チン。
30km~40km
下り坂が終わった30km過ぎから雲行きが怪しくなってきます。
脚ではなく、お腹です。
お腹がグルグルグルグル常に鳴っている状態。。。これは、明らかにガスと便が溜まっている状態で、新潟シティマラソンでも経験した症状です。これが起きないためにホテルでの朝食も抑えたのですが・・・
しばらく騙しながら走る。
・・・
が、騙せない・・・
ここで道沿いの仮設トイレへ。
何人か並んでおり、しかも僕の次に女性が並びました(+o+) う~ん、、、この状態だとゆっくりできないな。自分の番がきましたが、ゆっくりすることもできず・・・(T_T) 溜まっている一部を出して、計10分程度ロス。
お腹は相変わらず音を立ててますが、風雲急を告げる事態は回避しました。
少しそのまま走ると四万十川に合流です!
やっと会えた、四万十川。
四万十川。水がホントに綺麗!
山並みも美しい
橋には応援の人が大勢集まってます。
『群馬の○○さん、頑張って!』
ゼッケン番号から名前を調べて応援してくれます。
「ありがとうございます!頑張ります!」
と応えるが、お腹がぐるぐる状態・・・
しばらく走ると、前方にいたおじさんがフラフラと応援者の方へ。
「すいません、トイレ貸して貰えますか?」
Σ( ̄ロ ̄lll) ガビーン
そんな裏ワザが!
ショックを受けつつしばらく走ると、ライダー用宿泊施設(ライダーズイン)でトイレを貸し出してくれていました!
ここならゆっくりできる!
・・・10分程度、ゆっくり出すもの出せました。
さあ、あとは走りに集中するのみ!
・・・と思ったら何やら雲行きが怪しいです。
お腹ではなく、脚です。
40km付近にて、早くも脚に疲労が溜まってます。。。
あと60kmもあるのに既に脚は重い状態。うむむ。。。
40km~60km
40kmからは我慢。我慢。
歩きたい欲求を抑えて半家沈下橋までは頑張ると決めます。
中間地点。脚は重く「完走できるのか?」と弱気になる
この日の予想最高気温は26℃。山道なので日陰が多く助かりましたが、日差しは体力を奪われます。
53km過ぎにようやく半家の沈下橋に到着!
晴れた日にここを走ることを楽しみにして、
ついに沈下橋を渡る念願叶いました!
半家の沈下橋。念願叶ったけど、すでにヘロヘロ状態
沈下橋からの四万十川
流れが本当に美しい
沈下橋を渡るという目標を達成した僕に、ここから頑張る力は残っておらず・・・沈下橋からカヌー館までの上り坂という上り坂を全て歩きました。
それでも平坦な道はまだ走れる余力は残ってました。
60km~80km
60km計測地点を過ぎ。
ボランティアの方から
「もう少しでカヌー館だよ!」
の声が。
最低限の目標としていた「カヌー館(レストステーション)」までは何とかたどり着いた。
カヌー館の200~300m手前でボランティアの方がゼッケン番号を読み上げ、カヌー館に着くときには待つことなく荷物が渡されるシステム。本当に関係ボランティアの方々には頭が下がります。
程なくしてカヌー館に到着!
カヌー館は広く芝生スペースもありましたが、それでも当然のことながらランナーでいっぱい。
受け取った荷物を開けて、まずはメールの確認(笑)カヌー館に着いたら送りますよ、って言ってた手前・・・(メール確認&送信のタイムロスが大きかったなぁ・・・(^_^;))
その後、おにぎり(鮭)、カステラ、味噌汁と、自分で用意したザバス(SAVAS) ピットインリキッドを補給。
着替えはせずにシューズだけ一度脱いでマッサージ。
相変わらず左足の親指が痺れた状態だけど、大きなケガもなくまだ動ける。
ただ、脚(特に太腿)はパンパン。
普段ならとても走れる状態じゃないけど、ここから後38km。。。
結局、カヌー館には約25分滞在。
予定の15分を軽くオーバーするあたり、予想以上の疲労が蓄積されてます。
カヌー館直後は脚が重くて重くて全く進みません。周りのランナーもそんな感じ。
とりあえず70km手前の「岩間沈下橋」までは、平坦な道は走り&上り坂歩きの作戦で進みます。
しばらく走ると、いた!噂に聞いてたオカリナおじさん!
思わず記念撮影。
オカリナおじさん
ゆずの「栄光の架橋」を演奏していました。ありがとう!元気出ました!
しばらく進んでようやく「岩間沈下橋」
岩間沈下橋
沈下橋からの流れ。雄大です。
写真撮影ポイントのため、サングラスを外し余裕を見せるが、もう脚はいっぱいいっぱい。この辺りから残りの表示距離だけを目標にガムシャラに走り、周りを楽しむ余裕がなくなってきます。
脚攣り防止と気分転換を意識して「塩熱サプリ」を小まめに摂取するようにしました。晴れて暑い一日だったのに最後まで脚が攣らなかったのは、小まめに塩分補給したことも要因の一つだと思ってます。
70km過ぎからはもう普通に走り続けることができません。
エイドでは2~3分休憩、1kmごとの距離表示地点になると1~2分歩いて次の距離表示地点まで走る、を繰り返します。
この辺りで「このペースじゃ完走できないだろうな・・・」と弱気になってきます。
80km手前のエイドでパンを食べましたが、少し気持ち悪くなってきたので、以後、ゴールまで食べものの補給は無しで進みます。
80km~ゴール
80km過ぎ。
近くには高知の若者3人組が話しながら少し余裕の走りをしてました。
走るペースはほぼ一緒。しかも、エイドで3~5分休み、次のエイドまでは歩かず走る、というリズム。
これはついて行くしかない!
この3人組・・・いや、御三方のおかげで少しペースアップ。(高知の3人組の方、しつこくついて行ってごめんなさい!)
が、もう考えることは、
「走らなくちゃ・・・」
それだけ。
夕日も、川の流れも、山並みも、楽しむ余裕は全くなく、かなり追い詰められてましたね。
ただ、追い詰められてなりふり構ってられない状態だからだと思いますが、恥ずかしがり屋の僕が、沿道の応援、ボランティアの方々に大きい声で「ありがとうございます!」が言えたのもこの時でした。
90km地点。
あたりも薄暗くなり、残り10km。
途中で配っていたペンライトを腰にぶら下げて走ります。
この地点で残り2時間10分だったため、もう歩いてでも間に合います。
「いや、頑張って7分/kmで行けば、12時間台行けるんじゃないか?」
と一瞬頭をよぎりますが、体が全力で拒否。
「脚が鉛のようだ」という表現を人生で初めて実感しました。
距離表示地点で2分歩き、次の距離表示地点まで走る。上り坂は歩く。
「歩く」「走る」をただただ自分に言い聞かせて進んでいくと、街並みが見えてきて・・・
ついに到達。99km地点!
これを撮るために頑張った!!
ゴール近くになると、沿道の松明にかがり火がたかれて幻想的な雰囲気。体がつらくなければもっと楽しめたのか?ギリギリの体だからこそ幻想的に見えたのか?
かがり火の中、沢山の声援をもらう。
見ず知らずの過ぎていくランナーに、こんなにも力のこもった声援を。
しかも上り坂だから歩いてるのに。(最後の坂がまた急勾配なんです・・・)
坂を登りきると、ゴールの中村高校はもう目の前。
下り坂でペースを上げると、重く痛く攣りそうだった脚がウソのように軽い。
勢いそのまま、高校生とハイタッチをして、ゴールゲートの校庭へ。
「遠い群馬からの参加で、今ゴールです!」
という実況とともに
ついにゴール!!!
ネットタイム:13時間13分06秒
ペンライトを高々と突き上げてゴールするつもりが、筋肉痛となった腕が思う通り上がらず、猿みたいなポーズでのゴール。
四万十川ウルトラマラソンのゴール後
ゴール後はすぐに完走メダルがかけられ、アイシング用の氷を渡されます。
完走メダル。間に合ってよかった~
スポドリを受け取って、パイプ椅子で少し休憩。休憩中にシューズのタグを取ってくれます。ホントに運営面がしっかりしてる大会です。
もっと休憩して余韻を楽しみたいところでしたが、宿毛方面臨時バスの最終が「新ロイヤルホテル四万十前」から20時に発車するので、それまでに新ロイヤルホテルに行かないと。ゴールが18:45頃なので余裕はあるのですが、早め早めの行動で。
体育館で荷物を受け取り、着替え、完走報告メールを送り、バス停へ。もちろん、脚はガクガクで、バス停への階段を登るのに気合が必要です。
バス停から市内巡回バスで新ロイヤルホテル四万十前へ。
20:00 宿毛臨時バス発
新ロイヤルホテル四万十のロビーで20分くらいバスを待ちます。同じくバス待ちのランナーと完走を称え合います。
20時に宿毛行きの臨時バス発車。
30分の乗車でしたが、足が辛いし体も辛いし、バスでじっとしているのがしんどい・・・
20:35 秋沢ホテル前着
宿毛市の「秋沢ホテル」前に着。
秋沢ホテルからホテルアバン宿毛へ徒歩で向かう。
距離的に500mもないはずなのに、この徒歩がめちゃくちゃ長くて辛い。他のランナーさんもガクガクしながら歩いてましたね。
途中のコンビニでサラダ等を購入。
21:00 ホテルアバン宿毛着
徒歩なのにふぅふぅ言いながらなんとかホテル着。
シャワーを浴びて1日の汗と汚れを洗い流す。
シャワー室の出入りのちょっとした段差も辛い(笑)
夕食を食べようとするが食欲がなく半分残す。
程なく、寒気とダルさが襲う。
「あー、これが100km走った後遺症かぁ」
などど思いながら、解熱剤を飲んで早々に就寝。
こうして、初100kmマラソンの長い1日が終わった。