秋冬のフルマラソンでサブフォーを達成するためには、夏の期間のトレーニングが重要です。
もちろん、大会に合わせて体を作っていくので、秋冬がトレーニングのピークになりますが、夏に充実した練習をして秋冬につなげることがサブフォー達成のカギとなります。
このページでは、なぜ暑い夏のトレーニングが重要なのか?暑い夏の練習方法・注意点などと共に詳しくご紹介します。
サブフォー達成のため夏にトレーニングする目的
夏にトレーニングする目的は2つあります。
- 暑さに体を慣れさせる
- 心肺機能が向上する
暑さに体を慣れさせる
まずわかりやすい目的として「暑さに体を慣れさせる」という効果があります。
秋冬の大会とはいえ、秋になりたての時期の大会なら気温はまだまだ高いことがあります。また、記録を狙って全力で走れば、秋冬でも走っている間は暑くなります。
夏にトレーニングを積んで暑さに慣れさせることで、秋冬になったときに体がとてもラクに感じるはずです。
秋冬で少し涼しくなってくると、同じペースで走っているのに体が軽くスピードも出して走ることができます。
心肺機能が向上する
暑い時に走ると、全然速くないペースなのに「ハアハア」と息が上がってしまうことがありませんか?
そのままハアハアペースで走るのは体の負担が大きくなってしまいますが、夏の適度な体の負荷は心肺機能を向上させてくれます。
スピードをそれほど上げずに心拍数が上がるのがメリット。
通常の季節ならスピードを上げてハアハアさせて心肺機能を鍛えますが、夏場なら、ゆっくりランでケガのリスクを抑えて心肺機能の向上が図れます。
夏のランニングの注意点
夏のランニングで注意したい点です。
熱中症、熱射病に注意
夏のランの大敵。熱中症・熱射病には要注意です。特に曇りでも湿度の高さには注意です。
人間は汗をかいて、汗が蒸発する「気化熱」で体表の熱を奪い温度調節します。日本の夏のように湿度があると、汗が蒸発しにくいため、体温調節もしにくくなります。具合が悪いな?と思ったときはもう熱中症です。
- 水分をこまめに摂る
- 長時間走り続けない
- できるだけ日陰を選んで走る
ということに注意しましょう。
夏の疲れは抜けにくい
これはランナー経験が豊富になってくるとわかることですが、夏の疲れは抜けにくく、秋冬まで残ってしまいます。
夏に無理に体に負担を与える練習をしてしまうと、疲労が蓄積して、その疲労が秋冬になってでます。夏しっかり練習したのに「思ったようにタイムが伸びない・体が重い・ケガしやすい」というのは夏の疲れが残っている証拠です。
夏はいかに疲労を残さずにトレーニングを積めるかがポイントです。
練習量が少なくても心肺はしっかり鍛えられるし、秋冬に向けての筋力の下地もできます。1回の距離・スピード・練習量は物足りないくらいで留めましょう。
真夏にランニングする時間帯
暑い夏のランニングの時間帯は以下がおすすめです。
- 5時~7時までの早朝
- 20時以降の夜
早朝が熱中症のリスクがなくてよい
真昼の炎天下でも、それはそれで滝汗流しながら気持ちよかったりしますが、やはり長時間は走れないし、熱中症のリスクがあります。
僕は平日走るときは朝5時半くらいには走り始めます。また、休日でロング走やLSDをするときは、日が昇り始める4時半くらいから走りはじめて、遅くても8時前には終わりにします。
心肺機能などのトレーニング効果を上げつつ、熱中症のリスクは少ないので、できれば早朝がおすすめです。
夜ランの熱中症にご注意
仕事や家事の関係で早朝走れない人は夜になるでしょう。夜は太陽もなく、日差しによる消耗もないですからね。
ですが、夜のランニングは熱中症に要注意です!
夜は日が暮れて日中よりも温度が下がるため熱中症にはならないと思われがちですが、日が暮れても温度や湿度は残るため熱中症になります。
実は夜に熱中症で病院に運ばれる人も意外と多いです。
また、温度や湿度が残りパフォーマンスも落ちますので、日中より涼しいはずなのにペースがあがらない、といってムリをすると体に相当の負担がかかります。
真夏のランニングで走るペース
秋冬の大会でサブフォーを目指すレベルなら、暑い夏は10km程度ジョグや20km以下のLSDペース中心で大丈夫です。
先程言ったように、夏場はゆっくり走っても心肺機能は向上します。
ゆっくり走ることでも走るための基礎筋力は向上します。「走る脚ができる」というわけです。
夏場は心肺機能の向上と基礎筋力の向上。
秋冬になってペース走を入れて一気にスピードをつける。
体に負担や疲れを残さず、理想的な走力アップができるはずです。
夏はジョグ・LSDでゆっくりスタミナをつけましょう。夏場につけたスタミナが秋口のスピード練習や本番でのスタミナにつながります。
涼しくなった秋口に10km~30kmのペース走を取り入れて、スピードをつける練習を実施します。
夏のランニングで走る距離
前の章で距離に少し触れましたが、スピードは抑えてもいいので、距離はそれなりに走っておきましょう。
サブフォーを目指す大会が11月下旬だとすると、理想的なのは以下の月間距離かと思います。
月 | 月間走行距離 | 1回の最大練習量 | ペース |
---|---|---|---|
7月 | 150km以上 | 2時間 or 20km | LSD or ジョグ |
8月 | 150km以上 | 2時間 or 20km | LSD or ジョグ |
9月 | 200km以上 | 3時間 or 30km | LSD or ペース走 |
10月 | 200km以上 | 3時間 or 30km | LSD or ペース走 |
※LSD:7分~8分/km、ジョグ:6分半~7分/km、ペース走:5分~6分/km
月間走行距離はあくまでも理想ですが、さすがに7・8月は100km以上、9、10月は150km以上は必要だと思います。
11月は初旬や中旬にLSDやロング走を入れて、大会2週間前~10日前くらいから練習量を抑えて疲労抜きします。
夏の練習ではスローペースで距離を稼ぎ、ゆっくりと体に負荷をかけることが重要です。オーバーペースで急激に負担をかけると暑さが相乗効果となり想像以上のダメージを体に残してしまいます。
夏のランニング中の補給食(水分補給)
夏のランニングで重要な2つのポイントです。
- 水分補給
- 塩分補給
水分補給はポカリやOS-1で
理想的な水分補給はポカリ・アクエリアスといったドリンクか、OS-1などの経口補水液です。
真水でも飲まないよりは全然マシですが、汗で失われたナトリウムを補給することができません。
ナトリウム不足になると「体が早く疲れる(疲労がたまりやすい)」「脚が釣りやすくなる」といった症状が出てくるので、特に長めの距離のジョグやLSDを実施するときはドリンクを携帯しましょう。
ナトリウム補給に塩熱サプリがおすすめ
汗と一緒に流れるナトリウム不足による症状は説明のとおりです。
そのナトリウム(塩分)を効率よく摂取するためにおすすめなのが「塩熱サプリ」などの塩タブレットや塩飴です。
タブレット状の補給食で美味しく簡単にナトリウムを摂取することができます。
僕はフルマラソンや100kmマラソンで脚がつりやすいので、塩熱サプリは必ず携帯して20kmごとに1粒摂取するようにしてます。
ちなみに塩分補給に「塩」は厳禁です!
塩は毒にもなるのは有名な話で、走って疲れて胃酸が出にくい状態の胃に入れると、一気に胃を荒らしてしまいます。
ナトリウムは、塩を舐めるのではなく、ドリンクやサプリで補いましょう。
補給食の練習をしておきましょう
秋冬の大会が初めてのフルマラソンになる人は、必ず補給食の練習をしておきましょう。
走りながらだと食べにくかったり、手についてベタベタするなど、実際に走りながら食べてみないとわからない点もあります。
補給食と言えば
- エナジージェル
- エナジーバー
- エナジーゼリー
- エナジーリキッド
- スポーツようかん
など、各社いろいろな商品を出しています。
少ない量ですばやく糖分を摂取するため、基本的に甘いのですが、その甘さのタイプも商品によってさまざまです。必ず使い勝手・味・食べやすさ・お腹の残り具合などは事前に確かめておきましょう。
僕は以下の2つのジェルを必ず携帯しています。
- メダリストエナジージェル
- メイタンCCC
メダリストはエネルギー補給に。味がおいしく食感のあるジェルタイプです。
メイタンCCCはカフェインが200mgとカフェイン摂取のためのドロッとしたリキッドタイプです。少し味にクセがありますが、疲れてきたときのここ一番で摂取すると疲れが吹き飛びます!
フルマラソン以上なら、ぜひ本番でメイタンを試してみてほしいですね。
サブフォーを目指す夏場のトレーニングのまとめ
暑い夏をうまく乗り切ることで、秋冬に自分が思っている以上にレベルアップできます。
とはいえ、夏の暑さの中で無理をすると疲労が溜まり、それが秋冬のパフォーマンス低下につながってしまいます。
- 練習量とスピードは抑えめで
- 真っ昼間の直射日光は避けて
- ゆっくり心肺機能と基礎筋力をアップさせる
これでサブフォー達成間違いなしですよ!