2018年ランニング界の話題といったら「厚底シューズ=ナイキズームフライ」ではないでしょうか!?
箱根駅伝の活躍から始まり、設楽悠太選手、大迫傑選手がフルマラソンの日本新記録を次々と塗り替えたのも、ナイキの厚底シューズです。※設楽選手、大迫選手はナイキヴェイパーフライ4%です
僕も2018年の夏頃からナイキズームフライを履いています。
結論から言うと、ズームフライは本当にすごいシューズです!
僕が実際に履き続けた印象をまとめると
[checklist color=”red”]
- 簡単に速く走ることができる
- 脚への負担が軽減される
- 自然とフォアフット気味の走法になる
- 従来のスピードシューズからの乗り換えだと違和感あり
- 慣れると他のシューズが履けないほどの心地よさ
[/checklist]
といった感じです。
このページでは、ナイキズームフライの特徴、効果、実際に履いて走った印象、フルマラソンで使用した結果と感想をご紹介します。
サブ4~サブ3.5付近のランナーさんで、ズームフライに興味があるという方は、ぜひご参考にしてみてください。
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最新のズームフライシリーズのレビューはこちら
[label color=”red” text=”参考”] ズームフライ4のレビュー!履き心地・適正ペース・耐久性を実際に履いて体験しました
[label color=”red” text=”参考”] ズームフライ3をレビュー!ズームフライの後継として期待した走り心地は?
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ナイキ ズームフライとは?
ナイキ ズームフライとはどういうランニングシューズなのか?
2018年これだけ話題になっているし、知っている方も多いと思いますが、あらためて簡単におさらいを。
ナイキヴェイパーフライの廉価版
もともとは実業団などに所属するトップランナーが履いていた「ナイキ ヴェイパーフライ」が始まりです。
フルマラソンの日本記録を更新した設楽悠太選手、大迫傑選手もヴェイパーフライを履いてましたね。
トップアスリート仕様で値段も高いシューズを、市民ランナーでも手軽に履けるように開発されたのが、ナイキズームフライです。
安いけどコンセプトは一緒
安いけどコンセプトはズームフライもヴェイパーフライも一緒です。
※ズームフライが安いといっても定価16,800円は高いですけどね(^^;)
ヴェイパーフライは、ソールにカーボンプレートが入っていて、これが簡単に速く走れる秘訣です。
カーボンプレートが傾斜のような役割をしていて
- やや前景姿勢のようなフォームになる
- 勝手に足が前に進む
といった効果を生みます。
このカーボンプレートにナイロンも採用して、コストを下げて価格を安く仕上げたのがズームフライです。
採用されている素材やディテールは違うけど、コンセプトは一緒。走った印象も限りなくヴェイパーフライに近いというランニングシューズです。
ズームフライの特徴
ズームフライの特徴を簡単にまとめます。
スピードシューズなのに厚底
最大の特徴はスピードシューズなのに厚底という点。
従来は「スピードを求めるシューズほど軽くて薄い」が常識でした。
でも、ズームフライはサブ3.5から速いスピードを対象としているのに、ソールの圧倒的なボリューム!存在感!
かかと部分と同じくらいかってくらいの厚底!
僕も10年近くランニングやマラソンをしていますが、スピードシューズでここまでソールが厚いのは見たことがありません。
それほどの衝撃でした。
前に傾斜していてフォアフットになりやすい
ソールの形状を見ればわかると思いますが、つま先からかかとにかけて底がだんだんと厚くなってますよね?
これが自然の前傾姿勢を生む理由です。
普通に走っているだけで前傾姿勢(着地はつま先着地のフォアフット)になるので、元々かかと着地のランナーは、最初は違和感があると思います。
フォアフットなのに疲れにくい
フォアフット走法はふくらはぎを中心に、脚に負担(疲れ)の大きい走法です。
※この認識は賛否ありますが僕はそう感じています。
ズームフライは、厚底クッションのおかげで、うまく脚の負担を逃して疲れを軽減させてくれます。
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ズームフライのサイズ感
黒・白の対称モデルかっこいいですね~
ズームフライのサイズ感です。
僕の足のサイズは
[checklist color=”red”]
- 裸足の実測:24.3cmくらい
- ミズノウェーブライダー:25.0cm
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です。
ミズノウェーブライダーの25.0cmが心地よく履けるサイズ。
ズームフライは25.0cmと25.5cmの2サイズをそれぞれ100kmほど履いて走って比較しました。
奥が25.0cm、手前が25.5cm
そして、ズームフライも25.0cmで落ち着きました。
ただし、ズームフライはミズノウェーブライダーに比べてつま先付近が狭くて、アッパーのフィット感があります。柔らかいナイロン素材で「ぎゅっ」と包み込まれているような感覚です。
この感覚は慣れだとは思いますが、ミズノのランニングシューズはつま先付近に割とゆとりがある作りなので、最初はズームフライが窮屈に感じました。
最終的には、そのフィット感もスピードの安定感につながっている気がします。
ズームフライを最初に走ったときの感想
僕はズームフライを履くまで
- LSD、ゆっくりラン:ミズノウェーブライダー
- スピードラン:ミズノウェーブエアロ
を履いてました。
特にウェーブエアロは軽くて薄くていかにもスピード用。適度なクッション性もあって、サブ3.5前後の走力にはぴったりです。
そんな軽くて薄いシューズに慣れていたので、ズームフライを履いた当初はかなり戸惑いました。
厚底で背が高くなる!?
ズームフライを初めて履いた印象。
「おお~、背が(目線が)高い~」
ってことでした(笑)
ソールの薄いシューズに慣れている人はわかると思います。
それほど履いた瞬間に厚底を実感できます。
とにかく重さが気になる
さて、実際に走り出してみると、
「重い!なんかモッタリしてる・・・」
という印象です。
とにかく重さが気になる!
実際の重さ(27cmで約248g)としてはそれほど重くはないのですが、「スピードの出るシューズ=軽い」というイメージがあるからでしょうか?
最初は1歩1歩の重さが気になりました。
全然スピードが出せない??
サブ3.5前後からということは、キロ5分~4分半くらいが適正スピードでしょう。
練習でそのくらいを目指してスピードを出そうとするのですが、これが全然気分良くスピードが出ない。
実際には速く走れているのですが、疾走感がないというか、一生懸命頑張っているのにスピードを感じられないんです。
タイムで見ると速いのに、一生懸命頑張った割には遅い。
最初はこの感覚にとても戸惑いました。
今まで軽くて薄いシューズに慣れていた人は、僕と同じように戸惑う人もいるのではないでしょうか?
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ズームフライを使いこなすコツ
最初は戸惑ったズームフライですが、何度か履いているうちに慣れてきて「使いこなすコツ」みたいのもわかってきました。
僕の個人的な感覚ですが、イマイチ慣れない人はご参考にしてみてください。
脚さばきは自然にシューズに任す
無理にスピードを出そうとするのではなく、自然とスピードが出るまでシューズに任せます(笑)
これは完全に感覚なので上手く説明できないのですが、無理やりスピードを出そうとして頑張っていると、頑張りとスピード感のギャップがあって違和感が残ります。
ズームフライは自然に走っていても勝手にスピードが出ます。
なので、無理やり頑張るのではなく、自然とシューズに任せる感覚が重要です。
スポーツカーではなくSUVに乗ってる感覚で
上記とやや内容がかぶるのですが、、、
車を乗っている人ならわかると思うのですが、
- 車高の低いスポーツカーの60km/h
- 車高の高いSUVの60km/h
同じ時速なのに体感スピードはスポーツカーの方が速くないですか?つまりスポーツカーの方がスピード感があるということ。
これは、ランニングシューズにもあてはまると思ってます。
- 車高の低い軽くて薄いシューズ
- 車高の高い重くて厚いズームフライ
実際にはスピードが出ているのにスピード感を感じられないのは、車高が高いSUVだからなんだ!と理解することが重要です。
やや前傾のフォアフット~ミッドフット着地にする
最後に技術的なコツを。
ズームフライはシューズの形状的に勝手に前傾姿勢になります。
これが前へ進む推進力を生んで、勝手に速くなるスピードを生みます。
そのため、自分がかかと着地と認識しているなら
[checklist color=”red”]
- いつも以上に体の真下で着地を意識する
- 足の着地はフォアフット~ミッドフットを意識する
[/checklist]
といった走りをしてみてください。
人間の体は器用なので、無理に足を動かすのではなく、頭で意識するだけで体が勝手にそう動いてくれます。
そうすることで、ズームフライの特性を活かしたフォアフット寄りの推進力を生む走りができるはずです。
フォアフットによる脚への負担はズームフライが軽減してくれます。
ズームフライでフルマラソンを走った結果と感想
ズームフライにしてからの大会結果です。
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- 10km:44分24秒(2018ぐんまマラソン)PB更新
- ハーフ:1時間42分15秒(2018MIKANマラソン)ベスト2
- フル:3時間42分04秒(2018おかやまマラソン)ベスト2
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5,6年ぶりくらいの好タイム連発です。
2018年シーズンはケガもなく順調に練習が積めたというのもありますが、ズームフライのおかげで自然に速く走れた影響もあると思います。
以下、ズームフライでフルマラソンを走ったみた感想です。
スピードが自然と出るので疲れない
フルマラソンでは、いつも20km過ぎくらいから疲れを感じ始めるのですが、おかやまマラソンでは疲れを感じ始めたのは27km過ぎくらい。
「頑張ってスピードを出す」という感覚がいつもより少ないので、気分的にも体力的にも疲れが軽減されていたんだと思います。
脚の負担も軽減される
いつもは30km過ぎくらいから脚も重くなってくるのですが、30km過ぎの脚の重さも無し!
おかやまマラソンでは、30kmから始まる長い激坂も軽快に駆け上がるほど、脚に十分余力が残っていました。
まあ、36,7kmくらいからはさすがに重くなりましたが、いつもよりは長く脚が持ったことも、ズームフライによる軽減効果かもしれません。
足首に負担が大きい!?
ひとつだけ注意点というか、現時点で感じている気になる点。
「足首に負担が大きいのでは?」ということです。
というのも、ズームフライにしてから、練習でなんとなく左足首に違和感がありました。元々痛めやすい箇所ではあるのですが、クッション性があるのに?と若干疑問でした。
そして、先日のおかやまマラソンを走った後と、その次の日くらいまで左足首に痛みがある状態でした。
「疲労が溜まっていた箇所にフルマラソンを走れば痛くなるよ」という気もするのですが、adizeroの匠シリーズの名匠三村さんも「厚底による足首の負担」を懸念しています。
違和感あったら練習量を緩めたり、ケアしたりと、少し注意かもしれませんね。
ズームフライのまとめ
最初にも言いましたが、
ズームフライの総評価としては「かなり良いシューズ」です。
[checklist color=”red”]
- 自然に速く走れる
- 脚への疲れを軽減してくれる
[/checklist]
この効果はハッキリと実感できると思います。
10kmの練習でキロ5分を切ることがなかったのですが、ズームフライにしてウォッチを見ないで走っていると、自然とキロ4分台で走れていることがよくあります。
ただし、ここまで説明したとおり、慣れるまでは違和感があるし、足首への負担は未知数です。
いずれにせよ、今までの常識を覆すランニングシューズであることに間違いはありません。
ぜひ一度でいいので、その違いを体感してください。
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